改正「修正国際基準」の公表(ASBJ)

2018-04-13

日本基準のトピックス 第354号

主旨

  • 2018年4月11日、企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)は、改正「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」(以下、「本改正基準」)を公表しました。
  • 本改正基準は、2014年7月に改正が公表されたIFRS第9号「金融商品」における改正点を主な対象とするASBJにおけるエンドースメント手続を経て、公表されたものです。
  • 本改正基準では、今回対象の会計基準について、「削除又は修正」を行うべき項目はありません。

原文については、ASBJのウェブサイトをご覧ください。

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/jmis/y2018/2018-0411.html

経緯

ASBJは、2013年6月に金融庁の企業会計審議会が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を受けて、エンドースメント手続を実施し、その結果、2015年6月に修正国際基準を公表しています。これは、2012年12月31日までにIASBにより公表された会計基準等を対象とするIFRSに関するエンドースメント手続(初度エンドースメント手続)を経て、公表されたものです。

その後も、ASBJ は継続して、IASBが2016年12月31日までに公表した会計基準等のうち、2017年12月31日までに発効するものに加え、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」およびこれに関連する改正会計基準等を対象としてエンドースメント手続を実施し、2016年7月、2017年4月および2017年10月に「修正国際基準」の改正を公表しています。

本改正基準は、その後、2014年7月に改正が公表されたIFRS第9号「金融商品」における改正点を主な対象としてASBJにおいて行われたエンドースメント手続を経て、公表されました。

今回のエンドースメント手続の対象

本改正基準は、2014年7月に改正が公表されたIFRS第9号「金融商品」における改正点およびその他2018年1月1日以後に発効する会計基準等のうち、IFRS第16号「リース」とIFRS第17号「保険契約」を除いたものを対象として実施されたエンドースメント手続に基づきます。

(1)

IFRS第9号「金融商品」(2014年公表)における改正点

(2)

「投資者とその関連会社又は共同支配企業の間の資産の売却又は拠出」(IFRS第10号及びIAS第28号の修正)(2014年9月公表)および「IFRS第10号及びIAS第28号の修正の発効日」(2015年12月公表)

(3)

「株式に基づく報酬取引の分類及び測定」(IFRS第2号の修正)(2016年6月公表)

(4)

「IFRS第9号『金融商品』のIFRS第4号『保険契約』との適用」(IFRS第4号の修正)(2016年9月公表)

(5)

「IFRS基準の年次改善2014‐2016年サイクル」によるIFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」およびIAS第28号「関連会社又は共同支配企業に対する投資」の修正(2016年12月公表)

(6)

IFRIC解釈指針第22号「外貨建取引と前払・前受対価」」(2016年12月公表)

(7)

「投資不動産の振替」(IAS第40号の修正)(2016年12月公表)

(8)

IFRIC解釈指針第23号「法人所得税の処理に関する不確実性」(2017年6月公表)

エンドースメント手続の概要と「削除又は修正」の提案

今回のエンドースメント手続における判断基準は、これまでのエンドースメント手続と同様に、「会計基準に係る基本的な考え方」、「実務上の困難さ」、「周辺制度との関連」となっており、これらの判断基準に基づき、十分な検討を尽くし、受け入れ難いとの結論に達したもののみを「削除又は修正」することになっています。

今回、上記.の8つの会計基準等のエンドースメント手続を実施した結果、「削除又は修正」された項目はありませんでした。

適用時期

本改正基準の適用時期は、公表日以後開始する連結会計年度に係る連結財務諸表からとなります。

このニュースレターは、概略的な内容を説明する目的で作成しています。この情報が個々のケースにそのまま適用できるとは限りません。したがいまして、具体的な決定を下される前に、PwCあらた有限責任監査法人の担当者にご確認されることをお勧めします。