企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正の公表(金融庁)

2019-02-20

日本基準のトピックス 第370号

主旨

  • 2019年1月31日、金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」及び「企業内容等の開示に関する留意事項について」(企業内容等開示ガイドライン)の改正(以下、「本改正」)を公表しました。
  • 本改正は、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、「財務情報及び記述情報の充実」、「建設的な対話の促進に向けた情報の提供」、「情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組」に向けて、適切な制度整備を行うべきとの提言がなされたことを踏まえ、有価証券報告書等の記載内容を改正するものです。
  • 意見募集に寄せられたコメントを踏まえ、公開草案からは、記載の明確化等の修正が行われています。

原文については、金融庁のウェブサイトをご覧ください。

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20190131.html

主な改正の内容

2018年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、適切な制度整備を行うべきとの提言がなされました。

当該提言を踏まえた有価証券報告書における主な改正内容は以下の通りです。なお、このほか、四半期報告書等においても所要の改正が行われます。

1.財務情報及び記述情報の充実

本改正では、財務情報及び記述情報の充実への対応として、有価証券報告書において次の記載を求めることとしています(第二号様式 記載上の注意(30)a、(31)a、(32)a(g)など)。

(1)経営方針・経営戦略等について、企業構造、事業を行う市場の状況、競合他社との競争優位性、主要製品・サービスの内容、顧客基盤、販売網等に関する経営者の認識の説明を含めた記載

(2)事業等のリスクについて、顕在化する可能性の程度や時期、リスクの事業へ与える影響の内容、リスクへの対応策の説明

(3)会計上の見積り及び見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響等に関する経営者の認識

2.建設的な対話の促進に向けた情報の提供

本改正では、建設的な対話の促進に向けた情報の提供への対応として、有価証券報告書において次の記載を求めることとしています(第二号様式 記載上の注意(57)、(58)など)。

(1)役員の報酬について、報酬プログラムの説明(業績連動報酬に関する情報や役職ごとの方針等)、プログラムに基づく報酬実績等

(2)政策保有株式について、保有の合理性の検証方法等について開示を求めるとともに、個別開示の対象となる銘柄数を現状の30銘柄から60銘柄に拡大

3.情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組

本改正では、情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組への対応として、有価証券報告書において次の開示を求めることとしています(第二号様式 記載上の注意(56)a(b)、(56)d(a)ii、(56)d(c)、(56)d(e)、(56)d(f)ii、(56)d(f)vなど)。

(1)監査役及び監査役会等の活動状況(開催頻度、主な検討事項、個々の監査役の出席状況及び常勤の監査役の活動等)

(2)監査法人による継続監査期間

(3)監査公認会計士等を選定した理由・評価(選定方針等を含む。監査公認会計士等又は会計監査人の評価を行った場合、その旨及びその内容)

(4)ネットワークファームに対する監査報酬等を、監査証明業務に基づく報酬と非監査業務に基づく報酬に区分して記載

(5)監査役会が監査報酬に同意した理由

4.その他所要の改正

上記のほか、所要の改正を行うこととしています。

施行・適用について

本改正は、公布の日から施行されます。

附則が定められており、適用時期は下記のとおり示されています。

項目

有価証券報告書

四半期報告書

2.建設的な対話の促進に向けた情報の提供

2019年3月31日以後に終了する事業年度から適用

※ただし、3.(4)については、2020年3月30日までに終了する事業年度については、改正前の規定によることができる。

3.情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組

(3)監査公認会計士等を選定した理由・評価

(4)ネットワークファームに対する監査報酬と非監査報酬の区分記載(※)

(5)監査役会が監査報酬に同意した理由

4.その他所要の改正

2019年4月1日以後に終了する事業年度から適用

1.財務情報及び記述情報の充実

2020年3月31日以後に終了する事業年度から適用

(2019年3月31日以後に終了する事業年度からの適用可)

2020年4月1日以後に終了する事業年度から適用

(2019年4月1日以後に終了する事業年度からの適用可)

3.情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組

(1)監査役及び監査役会等の活動状況

(2)監査法人による継続監査期間

このニュースレターは、概略的な内容を説明する目的で作成しています。この情報が個々のケースにそのまま適用できるとは限りません。したがいまして、具体的な決定を下される前に、PwCあらた有限責任監査法人の担当者にご確認されることをお勧めします。

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