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2024-10-28
一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(以下「一般社団法人JCBI」といいます)によるグレーゾーン解消制度に基づく照会(以下「本照会」といいます)*1に対して、2024年10月8日、金融庁が回答(以下「本金融庁回答」といいます)を公表しました。本照会に係る照会書(以下「本照会書」といいます)及び本金融庁回答は、以下のウェブサイト上で公開されています。
本照会は、「ブロックチェーン上の記録を移転するための秘密鍵の管理に関連するサービス(PassWallet®*2)について、当該サービスを提供する一般社団法人JCBI及び当該サービスを利用する事業者の行為*3が、暗号資産に係るカストディ業務*4に該当するか否か」という点に関するものであり、本金融庁回答において、結論としては、カストディ業務該当性が否定されています。
本照会は、カストディ業務該当性に関して、グレーゾーン解消制度に基づいて金融庁が回答を行った初めての事例です*5。この点で、本照会書及び本金融庁回答の内容は、カストディ業務該当性が問題となる他のサービスについても、一定程度参考になり得るように考えられます(但し、一般社団法人JCBIによるプレスリリース*6によると、一般社団法人JCBIは、PassWallet®に係る仕組みについての特許を取得しています)。
また、本照会においては、上記のとおり、一般社団法人JCBIの行為のみならず、関連する事業者の行為についてもスコープに入っており、本金融庁回答においては、関連する事業者の行為についても暗号資産に係るカストディ業務該当性が否定されています。この点で、本照会書記載の一般社団法人JCBIのサービスを利用する事業者も、(本照会書及び本金融庁回答記載の事実を前提として)本金融庁回答に依拠することができるものと考えられます。
もっとも、本金融庁回答は、あくまで本照会書記載の一般社団法人JCBIのサービスに対するものであり、必ずしも他のサービスにそのまま及ぶものではありません。特に、本照会書においては、サービスの内容や仕組みを詳細に記載しており、本金融庁回答も、「照会書で確認できる事実内容を前提として」*7いるものです。また、暗号資産交換業者に係る金融庁事務ガイドライン(「事務ガイドライン 第三分冊 金融会社関係16.暗号資産交換業者関係」)*8のI-1-2-2③においても、カストディ業務該当性について、一定の判断基準は示されているものの、「個別事例ごとに実態に即して実質的に判断するべき」とされています。
したがって、本照会書及び本金融庁回答の内容は、他のサービスについても一定程度は参考になり得る点で業界全体の発展に寄与し得るものではあるものの、他のサービスに対してまで過度に一般化するべきではなく、ビジネスを推進する上では、専門家のアドバイスを受けることなどが安全な対応であると考えられます。
*1 PwC弁護士法人は本照会に関与しており、本ニュースレターの内容については、一般社団法人JCBIの承諾を得ています。
*2 なお、PassWallet®については、一般社団法人JCBIを権利者として、商標登録がなされています(登録番号:第6826519号)。
*3 本照会書の用語では、「当法人によるPassWallet®の提供及びBC事業者による事業者アプリの提供」
*4 資金決済法2条15項4号所定の「他人のために暗号資産の管理をすること」
*5 https://www.fsa.go.jp/policy/kyousouryokukyouka/index.html
*6 https://www.japan-contents-blockchain-initiative.org/information/2024-10-09
*7 本金融庁回答の「5.確認の求めに対する回答の内容」
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