デジタル課税第1の柱 利益B(移転価格に係る簡素・合理化アプローチ)に関する報告書の公表

2024-02-28

BEPSニュース
2024年2月28日

2024年2月19日、経済協力開発機構(OECD)は、第1の柱/利益Bに関する報告書(以下、「本報告書」)を公表しました 。

第1の柱/利益Bについては、特にキャパシティの低い国(Low-capacity countries)のニーズに焦点を当てつつ、基礎的なマーケティング・販売活動(Baseline marketing and distribution activities)について独立企業間原則(Arm's Length Price:以下ALP原則)の簡素・合理化されたアプローチを提供するものとして、包摂的枠組み(Inclusive Framework:以下IF)において議論が進められてきました。

本報告書は、2022年12月及び2023年7月に公表された利益Bの制度設計に係る公開協議文書に対する利害関係者からの意見を踏まえ、IFのコンセンサスを反映したものとして公表されています 。各国が、自国居住者である対象適格取引を行っている販売事業者に対して、利益B(以後、「簡素・合理化アプローチ」)の適用を選択できるオプションの枠組みとして位置付けられています。

この枠組みにより、移転価格に関する紛争やコンプライアンスコストが削減され、税務当局と納税者双方にとって税の確実性を高めることが期待され、特に限られたリソースとテータ入手の可能性に直面しているキャパシティの低い国・地域は、当該枠組みによって提供される行政の簡素化の恩恵を受けるものとしています。

本報告書における簡素・合理化アプローチは、OECD移転価格ガイドライン(OECD Transfer Pricing Guidelines:以下TPG)に概説されている一般原則から導き出されたものとされており、当該アプローチはTPG第4章の附属書として組み込まれます 。

今後の導入スケジュールについて、各国は、2025年1月1日以降に開始する事業年度から、自国居住者である販売事業者に係る適用対象取引に対して、簡素・合理化アプローチへの適用を選択できることとされています。

また、今後の継続的作業として、IFにおいて、2024年3月31日までに、「キャパシティの低い国・地域」のリストに合意するとしており、また、同日までに、簡素・合理化アプローチの対象判断基準に関する追加的オプションとしての定性的基準に関する作業を完了するとしています。

本ニュースレターでは、本報告書の概要について解説します。

  1. 概要
  2. 簡素・合理化アプローチの位置付け
  3. 簡素・合理化アプローチの対象となる販売活動の範囲(Transactions in scope)
  4. 算定方法(Determining the return under the simplified and streamlined approach)
  5. 文書化(Documentation)
  6. 税の安定性と二重課税の排除(Tax certainty and elimination of double taxation)

(全文はPDFをご参照ください。)

デジタル課税第1の柱 利益B(移転価格に係る簡素・合理化アプローチ)に関する報告書の公表

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