2017-06-27
BEPSニュース - Issue 47
2017年6月27日
2017年5月23日、OECDはBase Erosion and Profit Shifting(BEPS)に関する行動計画8「無形資産に係る移転価格ルールの策定」に関連して、評価困難な無形資産(Hard-to-value-intangibles(HTVI))に関する実施ガイダンスの討議草案を発表しました。
本討議草案は、3つのセクションから構成されています。まず、セクション1においては、行動計画8-10最終報告書(移転価格税制と価値創造の一致)で勧告された移転価格ガイドライン第6章(無形資産に対する特別の配慮)の改訂のセクションD.4に記載されているHTVIアプローチ(一定のHTVIについて、税務当局は、事後的な結果を事前の価格設定取決めの適正性に関する推定証拠と考えることができるというもの)の主要な原則が確認されるとともに同アプローチを適用する上での一定の明確化が図られています。続くセクション2においては、HTVIアプローチの実施について、事例に基づく異なる条件下でのガイダンスが提供され、最後のセクション3において、HTVIアプローチと相互協議手続きへのアクセスとの関係が説明されています。
本討議草案は、HTVIアプローチの適用の結果としてどのように調整を行うかについて、税務当局の間で共通の理解とプラクティスに達することを目的としています。事後的な結果については、税務当局によって、無形資産の取引時点における当該結果の達成可能性についても考慮に入れた上で、当該取引時点での適正な取引価格を決定するために利用されるべきであるとされています。また、HTVIとその独立企業間価格に関する情報の信頼性を評価するために、税務当局は、通常の調査手続きにより可能な限り早期にHTVI取引を確認し、対処することが要求され、その結果、税務当局によるHTVIアプローチに基づく調整が行われる場合において、納税者の選択した価格設定とは異なる代替的な価格設定を反映した調整が行われる可能性についても言及されています。
なお、本実施ガイダンス案へのコメントは、2017年6月30日まで募集されています。
(全文はPDFをご参照ください。)
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