RCEP署名 合意内容の概要と国際貿易への影響

2021-01-04

関税貿易ニュース
2021年1月4日

2020年11月15日、RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:東アジア地域包括的経済連携)は日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、およびASEAN10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)との間で署名されました。

RCEPは、2021年後半または2022年前半に発効する見込みです。市場アクセスおよび輸入された貨物・役務の規模の観点からは、必ずしも世界最大の協定ではないものの、締約国の合計総国内生産高は26兆米ドル、合計人口は22億7000万人、輸出総額は5兆2000億米ドルとなっており、いずれもこれまでに締結されたFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)のうち最大の数字です。

既に多くのFTAが締結されているアジア太平洋地域においても、RCEPは重要な意味を持ちます。自由貿易に対し多くの逆風がある最中での締結であるのみならず、日本、中国、および韓国の三大経済国を結び、アジア太平洋地域におけるサプライチェーンの柔軟性を高めることが期待されています。

アジアにおいて事業展開を行う企業は、RCEPを最大限に活用すべく、早い段階からその影響を分析することが重要です。またRCEPが提供する便益の範囲は既存のFTAと重なる部分も多いことから、これを機会に改めてFTA活用の適正化が図られているかを確認することが望ましいと言えます。

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