M&Aの際のデジタル課税第2の柱に関する留意点

2023-01-30

経済協力開発機構(OECD)による包摂的枠組(Inclusive Framework)について、2021年10月のメンバー国による合意の結果、第2の柱(Pillar 2)の基本制度として2021年12月にGloBEモデルルール(Global Anti-Base Erosion Model Rules)が公表されるとともに、2022年3月にGloBEモデルルールに関するコメンタリーが公表されました。GloBEモデルルールに含まれる所得合算ルール(Income Inclusion Rule:以下IIR)においては、原則として、一定の要件を満たす多国籍企業グループ(Multinational Enterprise:以下MNEグループ)に対して最低税率15%と軽課税国の実効税率(Effective Tax Rate:以下ETR)との差額として算定されるトップアップ税額を当該MNEグループにかかる最終親事業体(Ultimate Parent Entity: 以下UPE)が所在する国・地域において課税することとしています。日本においても、2022年12月23日に閣議決定された2023年度(令和5年度)税制改正大綱に「特定多国籍企業グループ等に属する内国法人に対する各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(仮称)および特定基準法人税額に対する地方法人税(仮称)」という日本版IIRにかかる改正案が盛り込まれており、2024年(令和6年)4月1日以後に開始する対象会計年度から適用されることとなります。

本ニュースレターでは、上記の点を含めて、本日時点で公表されているGloBEモデルルールおよびコメンタリーに基づく税務上の取り扱いを踏まえてM&A実施時におけるGloBEルール適用上の留意点について概説します。

  1. 概要
  2. IIRまたはUTPR 適用法人の租税債務の承継
  3. トップアップ税額の買収価格のプライシングへの影響
  4. 国・地域別ブレンディングの影響
  5. 被買収企業グループの資産・負債の帳簿価額に係る修正
  6. 資産・負債の譲渡に係るGloBE所得の算定
  7. 資産・負債の譲渡に係る移行期間ルール

全文はPDFをご参照ください。

組織再編・M&A 最新ニュース

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2025年度税制改正大綱 非適格合併等における資産調整勘定等の算定方法の見直し:組織再編・M&Aニュース

法人が非適格合併等により資産または負債の移転を受けた場合、資産調整勘定または差額負債調整勘定を認識することとされますが、実務的には無対価で非適格合併等を行う場合、資産調整勘定等の算定方法やその根拠が議論となる取引事例があります。2025年度税制改正大綱により予定されている資産調整勘定等の算定方法の見直しについて解説します。

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