「SAP CONCUR FUSION EXCHANGE 2020 Japan」デジタルトランスフォーメーション推進によるバックオフィスの変革

PwC Japanグループは、2020年9月8日から7日間開催された「SAP CONCUR FUSION EXCHANGE 2020 Japan」にセッションスポンサーとして協賛し、講演しました。協賛した全3セッションのうち、9月29日(火)に行った大企業向け事例セッションについて詳しくご紹介します。当日の参加者は約870名、本イベント全体では約7,800名でした。

なお、本セッションを含むVirtual Summitはアーカイブ配信中です。下記サイトからご覧いただけます。

閲覧期限:2020年11月30日(月)18:00
https://www.concur.co.jp/fusion-exchange/virtual-event

事例セッション:「デジタルトランスフォーメーション推進によるバックオフィスの変革」

PwCコンサルティング合同会社の山崎 幸一が、デジタルトランスフォーメーション(DX)およびアップスキリングに関するPwCのコミットメントと、下記4点を紹介しました。

  • 財務経理機能のDX
  • デジタル経費精算で目指す姿
  • デジタル経費精算で目指すガバナンス強化
  • 令和2年度税制改正後の電子帳簿保存法への対応

経費精算DXに取り組むにあたって

経費精算DXに取り組むにあたってのPoint of Viewは以下の3点に集約されます。

経費精算DXを、経費精算業務部門に限定した取り組みではなく、全従業員が関連する「全社DX」「データドリブン経営」の一環として位置づける

経費精算DXは全従業員を巻き込んだペーパーレス化、リモートワーク対応、働き方改革といった経営課題と整合します。また比較的短期間で実現できるため、取り組みやすいDX施策の1つです。そしてその成果は、経費精算業務担当部門のみに留まらず全社へと波及します。費用対効果を最大化するためには、経営トップの関与と意思決定が不可欠です。

生産性向上、働き方改革といった「攻め」だけでなく、ムダな経費の見える化・不正検知といった「守り」、つまりガバナンス強化にも合わせて取り組む

経費精算DXに取り組むクライアントとの対話の中で、経費精算システムの導入・電子帳簿保存法への対応が先行し、ガバナンス強化の検討が後手・おろそかになっているとの懸念を耳にします。「領収書レス」「入力レス」「承認レス」の実現を目指す中で、経費のムダや不正利用は避けなければなりません。経費精算DXの早い段階から、事業部門の営業企画担当部門やコンプライアンス担当部門を巻き込み、ガバナンス強化(BIレポート、不正検知モデルの開発など)に取り組むことが肝要です。

経費精算DXで得られる人・移動手段といった属性データを、従来の顧客・セグメント・地域・製品といった管理会計の分析軸の1つとして活用する

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による営業接点の変化にともない、コスト削減はもとより、カーシェアリングなどのシェアリングエコノミーサービスを活用することによって、営業経費(営業所・営業車両関連コストなど)の立替経費化(変動費化)が進むことが想定されます。このような経費精算DXの進展により、人や移動手段といったより細かい属性ごとに経費の見える化・分析が可能となり、管理会計の精度向上につながります。経費精算DXにより蓄積されるデータの価値は今後さらに増すものと考えます。

図1 経費精算 DXに取り組むにあたって

執筆者

齋藤 篤史

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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