2023-12-15
PwC Japanグループ(グループ代表:木村 浩一郎)は、新書籍『【実践】価値創造経営 財務・非財務の連鎖で企業価値を向上する』(ダイヤモンド社)を発刊しました。同書籍は、PwC Japanグループの複数のメンバーファームから価値創造経営イニシアチブのメンバーが執筆しました。
日本経済はバブル崩壊の1990年代以降「失われた20年」と呼ばれる低迷期に入って久しく、今や「失われた30年」と言われるようになりました。この間、世界経済における日本企業の存在感は希薄化していると言わざるを得ない状況になっています。
例えば、企業価値の代表的測定尺度である株式時価総額を見ても、1989 年(平成元年)12月末時点では世界の時価総額ランキング上位50社に日本企業が32社ランクインしていたのに対し、30年後の2019年(平成31年)4月末ではわずか1社という状態です。
このような状況に東京証券取引所が危機感を覚えたものと思われますが、2023年3月31日に『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について』と題し、全上場企業に対して「現状分析」「計画策定・開示」「取り組みの実行」を行い、進捗状況について毎年開示するよう要請するに至りました。
PwCが2022年10、11月にグローバルで実施した「第26回世界CEO意識調査」によると、「現在のビジネスのやり方を変えなかった場合、経済的にどの程度の期間存続できるとお考えですか」との質問に対して、日本企業のCEOのうち72%が「10年以下」と回答しており、世界平均が39%であることに比べると、日本企業は自社の持続性に非常に大きな危機感を持っていることもわかっています。
ではなぜ日本の企業価値は低迷し、CEOは持続性の自信を失っているのでしょうか。
価値を創造するためには、さまざまな経営資源を投入して企業の足腰を鍛えた上で、顧客や社会に価値を提供し続けることが求められます。収益や企業価値の向上は、あくまでその結果にすぎないのです。
本書ではこれからの時代に対応する企業価値創造のための経営管理の考え方、フレームワーク、実践手法、そのツールとなるテクノロジー、価値創造経営への変革マネジメントについて徹底解説しています。
本書は以下の章から構成され、それぞれの分野のプロフェッショナルがその経験・知見をもとに執筆しています。