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2020年は、社会、世界経済、そして資産運用業界にとって、波乱の1年となりました。資産運用業界はここ数年にわたり安定的な成長を遂げていましたが、金融市場の急変を受けて、業界の資産ベースは著しく変動しました。市場のボラティリティは今後も、当面続くものと考えられます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を、ワクチンや治療により撃退できたとしても、私たちがCOVID-19以前の世界に戻ることはないでしょう。転換点にいる今、資産運用業界のリーダーはチャンスを迎えています。110兆米ドルを超える運用資産が、環境・社会・ガバナンス(ESG)といった優先事項に向かう中、資産運用会社は、文字通り世界を変える力を持っているといえるでしょう。資産運用会社単体で、また、政府やポートフォリオ企業などの主要なステークホルダーと連携することで、現在、世界が直面している最重要事項のうち、以下に挙げる3点において、変化を起こし、その力を利用して未来を形作ることができます。
資産運用会社のリーダーの主なチャレンジは、リターンを最適化するという受託者義務を果たしながら、顧客にとって有意義なソリューションの一部となることといえます。投資家の多くが、トレードオフを許容しないでしょう。
本レポートでは、4つのRを用いたビジネスの未来を考えるフレームワーク:rethink(再考), repair(修復), reconfigure(再設定) report(報告)を紹介します。
ビジネスの未来を考える際、組織やオペレーティングプラットフォーム、ビジネス全体を構造的に考察することが役に立つでしょう。PwCでは、「Future of Industries(業界の未来)」プロジェクトの一環として、次の時代に備えるための、4つの主要なカテゴリーと注力領域を特定しました。
資産運用会社は、未来への資金調達により回復を加速し、また資金を提供することで未来を守り、そしてESGを受け入れることで、未来をより良いものに変えることができます。しかしその実行においては、投資戦略だけでなく、ビジネスの根底にある目的に対する疑問が生まれるでしょう。これらの解決には、変化する投資環境の全体像を把握することが求められます。
未来への資金調達
未来への資金提供
ESGの未来を受け入れる
この1年間で起きたオペレーションの激変と市場の混乱により、コストの非効率性、デジタルエンゲージメントやリアルタイムでのレポーティングの欠如といった、資産運用会社の弱みが明らかになりました。再考を実行に移す第一段階として、これらの問題の解決が求められます。
未来に向け盤石な基盤を構築するために、次に挙げる5つの重要事項の修復が推奨されます。
顧客との迅速な調整
デジタルコネクティビティの向上
レガシーシステムからの脱却
ポートフォリオの合理化
非中核事業のアウトソーシング
基本的な修復は、組織を競争力のあるベースラインまで引き上げることしかできません。長期的な目標を達成するためには、投資哲学、投資の実行とその関連能力を再設定する必要があります。
投資哲学との連携
スケールと注力領域
広範なエコシステムとの協力
ターゲットオペレーティングモデルのデジタル化
新しい要求に合わせた従業員の確保
再考、修復、再設定の中で成し遂げたことは全て、その報告によって補強されることになります。報告は、顧客、株主、さらには政府との関与や信頼を強化する機会となるだけでなく、市場における基準を自ら設定する機会となるでしょう。
社会と関与し、組織の目的を実践
規制当局との関与
顧客、株主、リミテッドパートナーとの関与規制
不確実かつ激変する世界において、資産運用業界は回復の強力なエンジンとなり、また正しい行いを推進する力となり得ます。未来のために資金を調達し、未来へ向けた資金提供を行い、ESGの未来を受け入れることは、この重要な要素となるでしょう。
変化するステークホルダーの期待に合わせて戦略を調整することで、運用資産残高の成長を加速させ、新たな使命を確保し、社会が許容する範囲で事業を再構築する貴重な機会を得ることができます。デジタル化や労働力変革の推進により、コスト削減や利益率の向上が見込まれる一方で、生産性や顧客体験を改善する一助となるでしょう。
変化は、最低限のものではなく、根本的なものであるべきです。テクノロジーを微調整し、投資家のESGに対する要求にうなずくだけでは、この業界で生き残り、成功を収めるためには十分とはいえません。業界のトップランナーはすでに、このような変化を受け入れ、その結果創出されたチャンスをつかんでいます。