日本分析版(主要調査結果)

境界なき市場への挑戦

変化し続ける市場で競争力を強化する

「第18回世界CEO意識調査 日本分析版」は、2015年1月20日に世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に合わせて発表した「第18回世界CEO意識調査」における、日本企業のCEO(162人)の回答結果を基に作成されています。
「第18回世界CEO意識調査」は、2014年の第4四半期(9月~12月初旬)に世界77カ国において1,322のインタビューを実施しました。地域ごとの内訳は、アジア太平洋459(日本を含む)、西欧330、北米147、中南米167、中欧・東欧125、アフリカおよび中東94となっています。
日本のCEOからは郵送調査により合計で162の回答を得ており(調査期間:2014年10月~11月)、日本の回答に関する分析にはこの162の回答を集計した結果を用いています。世界全体の集計には、GDP比換算により、この162の回答のうち売上規模上位の80社の回答を含めています。

日本のCEOの回答の主な特徴

  • 本調査結果によると、日本のCEOの79%が今後1年間の自社の業績見通しについて自信があると回答している。前回の調査結果(84%)から5%低下しているが、これは調査時点が消費税率引き上げの反動や冷夏の影響などで、GDP成長率が2四半期連続して低調な推移となった時期と重なった影響もあると思われる。その後、景気の改善を示す経済指標も出てきていることから、あまり悲観的に見る必要はないと考えられる。
  • 今後自社が成長する上で重視する国・地域としては、57%のCEOが中国を挙げており、引き続き1位であるが、米国が前年の39%から52%に大きく上昇した。全体としてはアジア重視の姿勢は変わらない。
  • 3年前よりも今の方が成長機会が増えているとしたCEOが78%いる一方で、脅威が増えているとしたCEOも72%に達してしている。景気の回復や経済のグローバル化による成長への期待が高まる一方で、人材の確保やサイバーセキュリティなどに関する懸念も高まっている。
  • デジタル技術を活用する分野としては、サイバーセキュリティ(85%のCEOが選択、以下同様)、モバイル技術(83%)、データマイニングと分析(76%)などの他に、電池と電力技術(60%)、ロボット工学(51%)、3Dプリンティング(47%)も重視している。ものづくりニッポンとしての技術へのこだわりがみられる。
  • 自社の業界以外へ参入した、あるいは参入を検討した業界として、ヘルスケア・医療・ライフサイエンス(26%)、農業・林業・漁業(14%)を挙げる比率が相対的に高い。高齢化社会への移行や日本再興戦略における成長分野としての期待が反映された形となっている。
  • ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)を推進する戦略があるとしたCEOの比率(53%)は相対的にまだ低い。鍵となる人材の確保を含め、人材戦略の重要度をより一層高めていく必要がある。

In the survey

成長に対する自信(経年比較)
今後取り組む予定のリストラクチャリング
成長する上で重要な国・地域(自国以外)
成長に対する脅威(経済・政策・社会)
戦略上重要なデジタル技術
デジタル技術がもたらす価値
どの業界に参入するか
誰をパートナーに選ぶか
人員増加の見込み
変革力と多様性をてこに競争に打ち勝つ

第18回世界CEO意識調査 グローバル版