2014-09-25
本報告書は2014年5月にPwC Globalが発表した「Cities of Opportunity 6」をPwC Japan で抜粋・翻訳し、一部の結果に対する分析を加えたものです。
第6回となる今回の報告書では、30の都市、10の領域、59の指標について評価を行っています。ランキングの結果を見ると、2012年にオリンピックを開催したロンドンがニューヨークを抜いて初の1位を獲得し、企業や人材誘致のため積極的な政策を打ち出してきたシンガポールが前回の7位から3位に躍進するなど、興味深い変動が見られました。世界的イベントの活用や国策などによるさまざまな取り組みを通じ、国際競争力強化に向けた各都市の努力が少なからず評価に現れたものと考えられます。
東京は残念ながら13位へと順位を落とす結果となりましたが(前回の2012年版では10位)、世界の都市は、魅力的な未来の都市を目指して熾烈な競争を繰り広げながら進化を続けており、東京が相対的に順位を落とす結果になったのではないでしょうか。そうした中でも、都市の国際性を測る「ゲートウェイ機能」では4位という高い評価を得ており、「知的資本・イノベーション」では、アジアで唯一10位以内に入るなど、分野によって高い競争力ポテンシャルを有している点は大いに評価されるべきです。既にある魅力を生かしつつ、世界中が日本に注目する2020年オリンピックに向けて、東京の都市力強化の一段の取り組みに期待したいと思います。
図1:世界30都市の総合ランキング(上位15都市)
1 |
ロンドン |
9 |
シドニー |
2 |
ニューヨーク |
10 |
シカゴ |
3 |
シンガポール |
11 |
ベルリン |
4 |
トロント |
12 |
ロサンゼルス |
5 |
サンフランシスコ |
13 |
東京 |
6 |
パリ |
14 |
ソウル |
7 |
ストックホルム |
15 |
マドリード |
8 |
香港 |
|
図2:総合トップ10都市および東京の領域別ランキング