製品や体験をよりうまく調整して消費者に届けるために個人情報を求める企業は、その情報を安全に保つことの重要性に留意しなければなりません。また調査が示しているように、データを活用して顧客体験をパーソナライズすることは、ディスカウントやレコメンドをパーソナライズすることと比べて、顧客との信頼関係構築に役立つ可能性が低いことを企業は知っておく必要があります。
さらに、消費者にとってESGの問題は重要ではあるものの、信頼という観点では、期待に応える・購入しやすくするなど、消費者にもっと分かりやすく直接的な影響を与える要素が重要視されています。企業は消費者インサイトを喚起する特別なシステムを構築することができますが、その対価として提供する価値が消費者の共感を呼び、個人情報に対する安全性を付与できる場合に限られます。
共感と安全の上に信頼を構築することで、企業は顧客の最も重要な問題解決に集中することができます。例えば、やりとりの全般にわたって顧客の声に耳を傾けることです。企業は、得た消費者インサイトを利用して、価値提案、機能・システム、製品・サービスを体系的に強化することが可能となります。
「あの会社は目的や約束を果たしている」と消費者から信じてもらえていることを把握できるのは、企業にとって心強いことです。この点で最も信頼されているセクターは、食品・飲料、ヘルスケア、テクノロジーです。「大いに企業を信じている」と答えた回答者は、医療が最も多く(31%)、テクノロジー(27%)、食品・飲料(26%)と続きます。