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2022-09-14
本調査は、「コーポレートガバナンス」「リスクマネジメント」および「その他トレンドとなっているキーワード」の3つに焦点をあて、近年、企業および投資家の間でホットトピックスとなっており、その推移に顕著な変化がみられたものを中心に分析・考察を行っています。主な結果の概要は以下の通りです。
「コーポレート・ガバナンスの概要」において、2021年のコーポレートガバナンス・コード改訂の主要なポイントである「サステナビリティ」「サステナブル」または「持続可能性」、「ダイバーシティ」または「多様性」、「後継者」、 「独立社外取締役」を記載している企業の割合は、いずれも増加傾向にあります。コーポレートガバナンス・コードの改訂により、各社が意識的に開示を拡充したものと推察されます。
気候変動リスクに関する企業の対応状況への注目は年々増加しています。「事業等のリスク」において「TCFD」または「気候関連財務情報開示タスクフォース」、「脱炭素」または「カーボンニュートラル」、「炭素税」または「カーボンプライシング」といった気候変動対応に関連するキーワードを記載している企業の割合は、いずれも増加傾向にあり、特にこの1~2年間の伸び幅は顕著となっています(図表A)。
また、「サプライチェーン」、「地政学」を記載している企業の割合も、全体的に増加傾向にあります(図表B)。SDGsやESGへの対応、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、サプライチェーン寸断のリスク、環境負荷への影響、人権の尊重や、地政学リスクに関連する貿易摩擦や原材料価格高騰、調達競争の激化への対処に関する投資家の注目が高まっており、各企業が対応していることがうかがえます。
近年の重要な経営課題、注力領域として「人権」「DX」が注目されており、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において「人権」、「DX」または「デジタルトランスフォーメーション」を記載している企業の割合は、いずれも増加傾向にあります(図表C)。「人権」については、サプライチェーン全体における人権尊重の普及・促進が近年重要な経営課題となっており、方針等を開示している企業が増加しています。また、「DX」または「デジタルトランスフォーメーション」は、ビジネスモデルの変革や、新たな利益や価値を生み出すために、企業経営に欠かせない重要な要素となっており、各企業がDXの推進や活用に関して積極的に開示しているものと考えられます。
中原 拓也
ディレクター, PwC税理士法人
藤井 雄介
シニアマネージャー, PwCアドバイザリー合同会社
下川 大和
マネージャー, PwCアドバイザリー合同会社