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近年、業界・業種を横断した異業種連携の動きが活発化しています。国内における既存市場の飽和や急速なデジタル化、SDGs意識の高まりなど、経済・社会構造の変化により企業が対応すべきテーマの拡大・複雑化が進んでいます。
筆者らは、このように活発化している異業種連携の実態を把握すべく、2021~2022年にかけて国内の異業種連携に関するアンケート調査(1,110名)やインタビュー調査を実施しました。
本レポートでは、異業種連携の目的や成功ポイント、推進する上での課題・リスクについて分析するとともに、「成果を生むエコシステム・アライアンスの実現に向けて企業は何をするべきか」についての考察を提示します。
事業成長を企図している、あるいは業界横断の課題解決を図る皆さまが効果的・効率的な対策を講じる一助となれば幸いです。
以下、調査分析結果の要点を示します。
回答者の約30%が、他社との提携の実施経験がある、または検討しています。異業種連携に限定すると、回答者の約20%(1,110回答中223回答)が、異業種連携の実施経験がある、または検討しています。
異業種連携・同業種連携それぞれの目的を比較すると、他社との連携に期待するものは「新規事業」や「既存事業とのシナジー」などによる「事業の成長」や、技術力などの経営資源の獲得ですが、特に同業種連携よりも異業種連携においてその期待が大きいことがわかりました。
異業種連携で成果を出すためのポイントとして、もっとも回答率が高かったのは、「提携ありきではなく、事業戦略に基づいて提携を立案した」です。異業種連携を実施した、または検討している企業の過半は、「提携を自己目的化させず、事業戦略に基づき、異業種連携を行うことが重要」と考えていることがわかりました。
提携を推進する上では、全体的にパートナー(候補)との協業推進に関する課題・リスクが見受けられます。主な課題・リスクとして、「パートナー企業との文化の違い」「パートナー候補選びが難航」「パートナー候補の評価ノウハウが不足」が挙げられました。
今後の取り組みについての回答を分析すると、総じて異業種連携を進める意向が強く、パートナー企業との結びつきを強化しつつ、規模を拡大する意欲が見られます。具体的には、今後の取り組み方針として、「現在のパートナー企業との結びつきを強化」「現在の提携範囲の拡大」「パートナー企業数を増加」などの回答率が高く、同業種連携では「現状維持」が最多であることと比較すると、異業種連携の勢いがわかります。
異業種連携は大きく2種類に分けられます。1つは、企業がパートナー候補を探索する際に1:1または1:Nで交渉を行う「クローズ」な異業種連携。もう1つは、コンソーシアムのように多数の企業が参画し複数の企業がお互いにパートナーを探索するN:Nの「オープン」な異業種連携です。本調査・分析結果を通じて、異業種連携における6点のカギが明らかとなりました。
図表6:異業種連携におけるカギ
オープンな異業種連携・クローズな異業種連携に共通 ① 事業戦略に基づき異業種連携を構想し、提供価値を再定義する ② オーガナイザーがパートナー候補のキーパーソンを巻き込み推進力を発揮する ③ 自社とパートナー候補との「ニーズの差異」「常識の差異」に留意する ④ あらゆる可能性を想定した契約条項を盛り込み、柔軟に見直す オープンな異業種連携に固有 ⑤ コンソーシアムに頼り切らず、ヒト・カネを充て自ら実現に向け動く ⑥ コンソーシアム内の利益相反を理解する |
はじめに
第1章 異業種連携の最前線
1-1 異業種連携の定義
1-2 他社との提携状況
1-3 異業種連携の取り組み状況
第2章 異業種連携の重要ポイント
2-1 異業種連携の成果
2-2 異業種連携の評価基準
2-3 異業種連携で成果を出すためのポイント
2-4 異業種連携を推進する上での課題・リスク
第3章 異業種連携のこれから
3-1 異業種連携への取り組み方針
3-2 異業種連携の目的達成に向けた取り組み
第4章 日本企業への提言
4-1 成果を生む異業種連携のカギ
4-2 「クローズ」な異業種連携と「オープン」な異業種連携に共通のカギ
4-3 「オープン」な異業種連携のカギ
4-4 「クローズ」/「オープン」な異業種連携の差異
おわりに