経済犯罪実態調査2020 ―グローバル翻訳版・日本分析版―

2020-07-31

経済犯罪・不正の実態について、PwCでは2年に1度、グローバル規模でオンラインによるアンケート調査を行っており、今回で10回目を迎えました。今回は、グローバル全体では5,018社、日本では172社からの回答をもとに考察しています。

経済犯罪の被害に遭ったと回答した日本企業のうち、不正行為に関与した主犯格は、従業員などの組織の内部者が53%であったのに対して、組織の外部者は44%でした。ただし、前回調査までは圧倒的に組織の内部者による不正の割合が高かったのに対し、今回調査では、組織の外部者の割合が大きく増加する結果となっています。

また、日本では、例年上位に挙がる「資産の横領」や「財務報告に関する不正」に代わり、今回初めて「サイバー犯罪」が第1位となりました。ニュースなどでたびたび目にするサイバー犯罪が、急速に日本企業を取り巻く環境に大きな影響を与えていることが本調査からも読み取れます。そして、サイバー犯罪の割合が相対的に増加していることが、ハッカーなどの社外の組織・人物による犯罪が増加している要因の一つになっていると考えられます。

本報告書では、得られた回答をもとに、特に日本とグローバルの結果を比較しながら、日本企業の置かれている状況や考えられる対策について論じます。