2017-11-29
PwCコンサルティングでは、全国の一般家庭における消費者を対象に電力・ガス小売市場についての意識調査を行いました。
本調査は当社内の専門組織「電力・ガスシステム改革支援室」が実施したものです。電力については小売全面自由化前の2013年から毎年意識調査を実施しており、ガスについては昨年から加わりました。
調査の結果、電力小売自由化から1年以上経過し消費者の料金割引への関心は2016年から大きな変化はなく、5%の割引率では乗り換え比率は約7%、10%割引では約26%など、昨年同様の水準に推移しました。過去5年間の調査結果も踏まえ、消費者が乗り換えに踏み切る意向と割引率との関係性は、一定の値に収斂してきたと言えます。
一方で、ガス自由化は今年から開始されましたが、初期段階から各割引率における変更意識に大きな変動が見られない結果になりました。1年先行して導入された電力自由化を経験したことが影響しているものと考えられます。
2013年の規制緩和 にかかわる政府報道発表後は、消費者の自由化への関心が高く、わずかな割引率でも新しい会社への変更してみたいとの意向が強い傾向にありましたが、自由化後2年目にあたる本年の調査では、消費者が乗り換えに踏み切る現実的な割引感が形成されてきたと言えます。現在、大多数の新電力各社が提示する割引率は3~5%程度であることから、これまで以上にスイッチングを促進するためには10%程度の割引率か、それに相当する値ごろ感のある家庭向けサービス(家庭内サービス や省エネ・エコ関連設備機器との組み合わせなど)を提示する必要がありそうです。