不正を生まないために:正しい行動を促す組織文化とは

2016-01-08

金融業界の行き過ぎた成果主義人事制度は、従業員に多大なストレスを与えています。その結果、規制当局や市場の信頼を裏切るような、倫理に反する行為を生み出すことにつながります。罰金や懲役を科したり、補助金を取り消すことでは、不適切販売や市場操作のスキャンダルを防ぐことはできません。不安は人の判断能力を鈍らせ、倫理に反する行為に走らせます。

これは、PwCとロンドンビジネススクールとの調査結果により、明らかとなったことです。また、企業が従業員の競争意欲を生み出すことに注力できれば、より革新的な行動を促すことにつながることも本調査により明らかとなっています。金融危機以降、金融業界につきまとう悪いニュースやネガティブな記事をなくすことができる手掛かりが、本調査結果にあると考えています。

本号は、2015年6月に実施したPwCとロンドンビジネススクールによる共同調査結果を基に作成しました。