PwCでは2016年[PDF 1,032KB]、2017年[PDF 1,048KB]に世界の金融サービス(FS)企業およびフィンテック企業を対象に調査を実施し、金融サービス分野における新しいテクノロジーの台頭やフィンテックがこの分野の企業に及ぼす影響などについて検証、分析したレポートを発表しました。
3回目となる今回の調査では、その対象をFS企業(フィンテックを含む)から、テクノロジー・メディア・情報通信(TMT)企業へと広げ調査を実施しました。世界のFS・TMT企業の幹部500人以上の回答を分析した「グローバルフィンテック調査2019 交差する境界:フィンテックが促す金融サービス企業とテクノロジー・メディア・情報通信企業の融合」[PDF 1,603KB]では、FS企業とTMT企業における戦略、課題、強みの違いについて言及しています。
今回の調査には、日本のFS・TMT企業から47名が参加しています。その結果は、グローバルの回答と概ね一致するものもあれば、日本特有の課題やグローバルとの認識の相違を示すものもあります。
例えば、フィンテックに重要な国として、グローバルの結果では米国が1位、中国が2位に入りましたが、日本では日本が1位、米国が2位となっています。日本のFS・TMT企業は、フィンテック事業の成長見通しを考える時、まずは国内を重視しているようです。
またフィンテック戦略を進める上での課題について尋ねたところ、グローバルでは、規制やプライバシー保護などの外部要因、データ管理やレガシーシステムなど既存の仕組みといった内部要因が上位に挙げられました。しかし日本では、国・組織全体・経営陣、役職員および従業員全体の「デジタルに関するスキルと経験の不足」が最大の課題と考えられています。
デジタル化の波は止まりません。
金融サービスで進行する変革と破壊を前に、日本のFS・TMT企業は何を優先し、また課題と捉えているのでしょうか。
以下では、グローバルの結果と比較しながら、日本の回答結果※を紹介します。(※日本のTMT、FS企業の回答を合わせた結果)