2016-02-04
世界のCEOは「過剰な規制」、「地政学的な不確実性」、「為替相場の乱高下に対する懸念」を企業の成長見通しへの最大の脅威と捉えており、サイバーセキュリティに対しても61%のCEOが懸念を抱き、国益と商業的利益の両方にとって脅威となっています(※)。事実、サイバー攻撃による大量の情報漏えいにより、株価やブランドイメージの低下、顧客離れ、経営者の退任などの影響が世界中で発生しています。
今後、IoTの普及に伴いインターネットに接続されたデバイスは劇的に増加し、データセキュリティやプライバシーのリスクもそれに伴い増大します。
電力や交通機関などで使用される制御系システムが攻撃の対象となった場合、人命を脅かす事態にもなりかねません。
これらのサイバーリスクに対応するため、革新的な企業では経営戦略にサイバーセキュリティ戦略を盛り込み、ビジネスの差別化要素にしています。
2015年にPwC実施したグローバル情報セキュリティ調査では、情報セキュリティ支出が大きく増加しており、多くの企業がサイバーリスクの課題に正面から立ち向かう準備を整えています。
本書は、グローバルを対象とした1万人以上への調査結果や、PwCのプロフェッショナルサービスを通じて得られた知見を基に、革新的な企業がサイバーリスクという課題に対し、どのように取り組んでいるのかを紹介します。また、グローバルと日本企業のデータを分析し、日本企業が取り組むべき3つのテーマを提言としてまとめています。企業のサイバーセキュリティ戦略の策定や効果的なセキュリティ投資のために、経営者やセキュリティ責任者の皆さまには、ぜひ、本書をご活用いただきたいと考えています。