
不正や不祥事を防ぐ循環型の仕組みでリスクカルチャーをアップデート―社会との認識のズレを修正し、多様な価値観を包摂
業界や企業の内的要因によるリスクに対してコンプライアンス研修やルール整備を行っているものの、不正や不祥事を防ぐまでには至っていない現状について、「リスクカルチャー」という視点から考察し、対策を探ります。
企業を取り巻くリスクの複雑化が加速するなかで、内部監査にはより高度な役割が求められつつあります。本レポートは、内部監査部門長、取締役会・経営幹部、セカンドラインの部門長(リスク、コンプライアンスなど)計4,680名からアンケートに回答いただいた結果を取りまとめたものになります。各ステークホルダーが持つ内部監査に対する期待を明らかにしつつ、企業が急速に変化する複雑なリスクに対応していくにあたっての内部監査の強みと課題に焦点を当てた内容となっています。
本調査の結果を通じ、5つの説得力のある考察が導き出されました。本レポートでは、各考察についてさらに詳しく検討し、それらがなぜ内部監査やそのステークホルダーにとって重要なのか、組織にとってどのような価値があるのか、また実務上どのように対応していくべきかを取りまとめています。
また各考察では、複雑に絡みあったリスクへの対応、戦略分野への関与、テクノロジーを利用したアプローチなどについて検討しています。例えば、相互に絡み合うテーマを考察した結果、内部監査が持つ客観性と「点と点をつなぐ」能力、テクノロジーへの適切な投資によって課題を克服するとともに新たな価値を生み出し、複雑なリスクに対応していく自信をステークホルダーに与えられることが示されました。内部監査部門が「人間特有の能力(human‘superpowers’)」を発揮し、「意味のある存在」であり続け、「複雑なリスクに立ち向かう先駆者」として価値を提供していくことで、企業のガバナンス・リスクに対する意識を醸成し、より堅牢で効率的な内部統制という成果を実現できるでしょう。
業界や企業の内的要因によるリスクに対してコンプライアンス研修やルール整備を行っているものの、不正や不祥事を防ぐまでには至っていない現状について、「リスクカルチャー」という視点から考察し、対策を探ります。
証券監督者国際機構(IOSCO)が2024年11月に公表したプリヘッジ(Pre-hedging)に関するコンサルテーションレポートについて、概要と今後想定される課題を解説します。
「荷主と物流統括管理者が創る新たな連携モデル」という視点から、物流の進化をリードするために必要な物流統括管理者の役割や具体的な実践内容について考察します。
世界各国の投資家345名に、今後の世界経済の見通しや投資先企業等に対する期待について詳しく調査しました。投資家は、世界経済の成長に楽観的なものの、リスクが複雑に絡み合う経営環境を乗り越えられる、レジリエンスに優れた企業への投資を優先しています。