グローバル投資家サーベイ2016 – 変貌する世界で成功を再定義する

2016-06-20

このThought Leadershipは、2016年5月16日付プレスリリースにてお知らせした「2016 Global Investor Survey」の日本語訳となります。

本サーベイは、世界各国の投資家に対して行われたサーベイの結果を取りまとめたものであり、今回初の試みとして、PwCが実施した「第19回世界CEO意識調査」と回答が比較されています。この比較により、投資家とCEO(最高経営責任者)の考え方に大きな違いがある分野が鮮明になりました。

投資家のほぼ半数(49%)は、整合性に乏しい業績連動型報酬に対して大きな懸念を示したのに対し、CEOのその割合は17%にとどまりました。投資家の中でも、特に株式投資家がこの懸念を強く示しています。また、CEOの4分の3弱(72%)が、鍵となる人材の確保を事業成長への脅威と見ているのに対し、同様の見解を示した投資家の割合は半数以下(48%)でした。

また、調査した投資家の10人に7人強(73%)が、企業の主な存在意義は株主に対して価値を創造することであると考えていますが、CEOではその割合は16%にすぎず、残りの84%のCEOは、自分たちはより幅広いステークホルダーのニーズに応えることを期待されていると考えています。

これに対して、投資家、CEO双方が同じ見解を共有する分野もあります。

例えば、投資家とCEOはともに、特に米国と中国を企業の将来の成長にとって鍵になる市場と考えています。また、両者ともステークホルダーからの期待に影響を与えるメガトレンドとしてテクノロジーの進歩を第一に挙げていますが、このことは一方で、企業へのサイバー攻撃に対する両者の比較的高い懸念となって表れています。投資家とCEOの10人に6人はサイバー攻撃を懸念しています。

今回の結果をもとに、CEOも投資家も、有意義なコミュニケーション(対話)を通じて、相互の利益のためにオープンで継続的な関係(エンゲージメント)を持ち続けることが期待されます。