少子高齢化や大都市への人口集中を背景に、特に地域には経済・福祉・交通・教育などさまざまな領域の課題が山積しています。こうした社会課題を解決するには、産官学連携のようにあらゆるステークホルダーの力を結集していくことが必要です。
岸田文雄政権は「デジタル田園都市国家構想」を掲げ、地域の個性を生かしながら社会課題の解決と地域の魅力向上を図る政策を推進しています。
一方、産業界においても、地域企業はもとより都市部の大企業も、自社の強みを生かしながら地域の活性化にも資するような、ビジネス機会を捉えた取り組みを進めています。
PwCコンサルティング合同会社は、1,000人規模のアンケート調査を実施し、日本企業の地域での取り組みの実態を明らかにするとともに、それらを分析し地域ビジネスを成功に導くための5つのキーアジェンダを抽出しました。
具体的には、①地域との関係を構築し長期視点で取り組むこと、②収益面などで明確な目的意識を持つこと、③専任の担当部署を設けコミットした組織体制をつくること、④さまざまな外部機関と効果的に連携すること、⑤国や自治体の予算に依存しない受益者負担のマネタイズモデルを確立すること、の5つが成功に必要なことを明らかにしました。
地域ビジネスで成功し、持続的な取り組みにするにはどうすればよいのか。これから地域ビジネスを始める企業や、成功させたいと考えている企業にお読みいただければと思います。
はじめに
第1章：地域ビジネスの概況
―地方創生や地域課題を解決する活動の取り組み状況
―地域ビジネスの取り組み年数
―取り組みテーマ
―収益の創出状況
―収益を上げられていない理由
―今後の拡大意向
第2章：地域ビジネスを加速させるためのキーアジェンダ
収益を「想定以上に上げられている」という成功企業の特徴を分析
5つのキーアジェンダを抽出
①長期視点での取り組み
②明確な目的意識
③コミットした組織体制
④効果的な外部連携
⑤受益者負担のマネタイズモデル
おわりに
地域ビジネスにおいて収益を上げられている企業は、どのような工夫をしているのでしょうか。本稿では、成功企業の具体的な取り組みを調査するとともに、地域ビジネス成功に向けたビジネスモデルとステークホルダー連携の方法を提言します。
