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2022-11-07
【要点】
サーキュラーエコノミーは「資源制約による調達リスク」と「ステークホルダーの期待」への対応から企業経営の重要アジェンダとなった
サーキュラー経営の移行には、自社にないリソース・ケイパビリティの活用が求められため、M&Aが有効な手段となる
本レポートでは、サーキュラリティ向上のためのM&A戦略の要諦として、4つのステップを解説し、代表的な業界の動向と国内外のM&A事例を紹介する
サーキュラーエコノミーは「資源制約による調達リスク」と「ステークホルダーの期待」への対応から企業経営の重要アジェンダとなりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大、ロシアによるウクライナ侵攻によるグローバルサプライチェーンのあり方の見直しは、資源・エネルギーを循環させることが企業のレジリエンスを高めることを示唆しました。また、脱炭素実現のためにも、企業がサーキュラーエコノミーの事業活動を取り入れることが注目されています。
こうした背景を踏まえ、本レポートでは、企業経営におけるサーキュラーエコノミーの重要性を改めてお伝えしたうえで、「経営にサーキュラーエコノミーを取り入れる具体施策」の一つであるM&Aの有効活用を提唱します。
サーキュラリティ向上のためのM&A戦略の要諦となる「4つのステップ」を解説し、加えて、代表的な業界でのサーキュラーエコノミー動向、M&A事例を4つのステップで用いたフレームに沿って紹介します。
企業がサーキュラー経営に移行するには、大胆なトランスフォーメーションが求められ、多くのケースで自社にないリソース・ケイパビリティの活用が不可欠となるため、M&Aが機能する。
M&Aを機会に、CE(サーキュラーエコノミー)トランスフォーメーションという、自社変革の機運の向上が創出される。平時ではできなかった経営方針・戦略・組織の変更が可能となる。
M&Aは時間を買う。CEトランフォーメーションのスピードを向上させることにより、サステナビリティの競争力が短期間で強化される。
M&Aにより、従業員、顧客、取引先、投資家・金融機関、地域社会などのステークホルダーへのCE戦略のメッセージ発信の好機となり、ブランド価値向上につながる。
「サーキュラリティ向上のためには、どのようなテーマが考えられるか」を3つのCE原則に基づき、自社が注力すべきCE領域(10の個別戦略)を検討します。
選択したCE領域を強化するにあたって、自社では補えないリソース、ケイパビリティがあれば、ゼロから作り上げるのではなく、「外部から取り入れる」という選択肢があります。そこでM&Aが検討に入るわけですが、その際に参考となるのが以下の「5つの切り口」からなるM&A意義です。
技術獲得
ライセンス獲得
バリューチェーン補完
地域拡大
新規事業進出
「CE領域×M&A意義」のマトリックスを通して、強化すべき戦略領域の候補を俯瞰し、優先すべき領域を定めましょう。まずは、「資源効率インパクト×時間」で優先付けを実施します。次に、収益性、GHG排出の観点からのチェックも行いましょう。こうしたフィルターを通して、各領域の評価を行うことで、優先すべき領域が定まってくるはずです。
最後に、外部リソース、ケイパビリティをどの程度取り入れるか、そして資本投下リスクをどの程度許容するかを以下の「4類型」から検討し、最適なM&Aスキームを選択します。
サーキュラーエコノミーは、業界ごとにビジネスモデルの特徴が表れます。
本編では、サーキュラーエコノミーへの移行が特にマテリアリティと成り得る、消費財・小売、アパレル、食品・飲料、化学、自動車の5業界のCEビジネスの特徴と国内外のM&A事例を紹介します。
第1章 なぜ、サーキュラー経営においてM&Aが有効なのか
第2章 サーキュラリティ向上のためのM&A戦略の要諦
サーキュラーエコノミーならではの「4つの価値」
サーキュラリティ向上を実現する「4つのステップ」
<ステップ1>CE領域の選択
<ステップ2>「5つの切り口」でM&A意義を検討
<ステップ3>M&Aで強化すべきCE領域を優先付け
<ステップ4>「4類型」から最適なM&Aスキームを選択
第3章 業界で見る「サーキュラーエコノミー×M&A」
1.消費財・小売
2.アパレル
3.食品・飲料
4.化学
5.自動車
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