2016-11-10
金融危機後のリスクガバナンスの強化の流れに加え、本邦においても会社法の改正、コーポレートガバナンスコードの導入を受け金融機関においてガバナンス改革が加速しています。
一方で、先進的なガバナンス制度をいち早く導入していた企業や優れた経営能力により金融危機を乗り越えたと評価されていた企業において企業の存立基盤を揺るがす不祥事件が発生しています。それらの不祥事件の発生の根底には、企業の考えるあるべき行動原則(コード・オブ・コンダクト)と経営陣の設定した戦略との間の不整合の存在、また組織構成員が行動原則を適切に解釈し行動に移すための価値観が共有されていなかったことなどが考えられます。
本稿においては、コーポレートガバナンス/リスクガバナンスの仕組みが実効性を持つためのリスクカルチャーの醸成と、昨今のリスクプロファイルの変化に伴って高まっているコンダクトリスク管理について、最近の規制動向も踏まえつつ金融機関が抱えている課題やPwCが考えるあるべきフレームワークについて議論しています。