今、何をすべきか‐健康の社会的決定要因への対策が急務‐

2020-09-01

医療の近代化、テクノロジーの驚異的な発展、そして各方面での取り組みが功を奏し、人々の寿命は延び、生活の質も向上しています。しかしその一方で、せっかくの新しい治療法の効果も帳消しになってしまうような強い逆の力が作用しています。それが健康の社会的決定要因をめぐる課題です。

健康の社会的決定要因には、雇用、住宅、収入格差、清潔な水・教育・交通へアクセス水準などがあります。こうした問題はしばしば見過ごされがちです。しかし、適切に考慮しなければ医療システムの発展を阻害し、場合によっては無力化さえし得る深刻な問題になります。人々が社会的孤立、収入格差、栄養不良、公害に苦しんでいる状況では、最新の医療介入も十分な効果を発揮できません。そのため多くの保健医療制度は、いまだに最適な相互作用点での介入を実現できず、病気になって初めてソリューションを提供するという危機対応型の方法に偏っているのが現状です。

健康に影響を及ぼす要因を確かなデータを元に明らかにし、医療関係者・患者がアクセスしやすいツールを用いて情報提供する事で病気の予防および医療費削減につながってきます。本レポートでは、健康の社会的決定要因改善に向けた行動のための5つのステップについて解説します。

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