空間ID:リアルとデジタル空間融合の現在と将来展望

空間IDと4次元時空間情報基盤(以下、4D基盤)の整備は、現実空間と仮想空間の高度な融合が求められるSociety5.0の実現にとって重要な要素となります。

本稿では、空間IDと4D基盤を活用した将来のエコシステムを示し、具体的なユースケースを通じてエコシステムにおける各レイヤーの役割と経済的/社会的価値、空間ID活用メリットについて解説するとともに、課題と対策、実現に向けたステップを提示します。

エコシステムとユースケース

空間ID、4D基盤が整備された将来のエコシステムにおいては、ユースケース内でのデータニーズを把握し、より空間情報の活用が促進されるような4D基盤システムの運用を行う「4D基盤提供者」という役割が新たに登場し、「データ提供者」「4D基盤提供者」「サービス提供者」「サービス利用者」の4レイヤーから構成されるエコシステムを形成すると考えられます。本稿では、空間情報活用が期待される7つの分野に関し、具体的な7つのユースケースを通じて、エコシステムにおける各レイヤーの役割と経済的/社会的価値、空間ID活用のメリットについてもご紹介しています。

図表 1 従来と将来のエコシステム
図表2 ユースケース例一覧

課題とその対策

空間IDと4D基盤のエコシステムを実現する上では、大きく3つの視点から解決すべき課題が存在します。私たちはそれらの課題を整理し、対策を提案することで、課題解決をサポートしていきます。

図表3 エコシステム実現における課題と対策

おわりに

空間IDと4D基盤の整備により、新たな空間情報活用の可能性が広がります。これからの時代において、各レイヤーがスキルと能力を高めながら協力し合い、エコシステムの構築とユースケースの実現に向けて前進していくことが重要です。本稿が、各レイヤーが一体となり、空間IDと4D基盤がもたらす未来の世界へともに歩み出す際の一助となれば幸いです。

空間ID:リアルとデジタル空間融合の現在と将来展望

主要メンバー

岩花 修平

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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佐々木 智広

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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南 政樹

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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インサイト/ニュース

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