2021-09-03
ベンチャーキャピタルの世界はこの10年で大きく変化しました。10年前、わずか20社足らずだった米国のユニコーン企業1は、今では200社を超えています2。その間に世界のベンチャーキャピタルの年間投資額は5倍以上に増え、2019年には2640億米ドルに達しました。投資が向かう先はITセクターが圧倒的に多く、クラウドコンピューティング、モバイルアプリ、マーケットプレイス、データプラットフォーム、機械学習、ディープテックなど、最新のデジタルテクノロジーを駆使して従来の産業を破壊する企業に資金が集まっています3。そしてそこにエコシステムが形成され、未来の消費や産業セクター、市場を形作るイノベーションやブランドを生み出す場になっています。
しかし、それらのベンチャーキャピタル投資は(より広くアーリーステージ投資も含めて)、世界が本当に必要とするイノベーションを支援し、その普及に貢献できているのでしょうか。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが世界を席巻している今、この問いが、これまでになく鋭く迫っています。短期的に見れば、コロナ禍に最も強く、最も適した資産クラスがライフサイエンスとバイオテクノロジーであることは確かです。しかしもう一つ、重大な影響力を持つ分野があります。それは、重要性がますます高まる投資フロンティアとして存在感を増している気候テックです。
本報告書は、世界の気候テック投資の現状を分析した初めての調査報告書です。
気候テックの業種は幅広く、世界経済の脱炭素化に向けて、2050年までにネットゼロの実現を目指すさまざまなセクターが含まれます。エネルギー、建築環境、モビリティ、重工業、食品および土地利用といった各セクターにおいて、主要な排出源を減らすための低炭素あるいはカーボンネガティブなアプローチ、さらには炭素の回収と貯留、透明性や説明責任を通じた炭素の管理方法改善といった分野横断的なアプローチなどを気候テックと呼んでいます。
PwCはIIRCが提唱する「統合思考」の考え方に基づき、企業活動が「自社の将来財務に与えるインパクト」と「自然資本/社会・関係資本に与えるインパクト」を見える化し、統合志向型サステナビリティ経営の実現を支援します。
PwC Japanグループでは、再生可能エネルギーや脱炭素経営、会計、税務などの専門知識を有するプロフェッショナルが「カーボンニュートラルソリューショングループ」として組織を横断して活動しています。
温室効果ガス排出削減効果をシミュレーションできる独自の分析ツールを活用し、脱炭素に向けて経済合理性を踏まえた最適な計画の立案や実行、対外的な開示まで、企業の脱炭素の取り組みを総合的に支援します。