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PwC Japanグループは、国内のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)関係者を対象に、「CVC実態調査 2019」を実施しました。2017年に続く、第2回目の調査です。
本レポートでは、調査結果について解説するとともに、国内CVCの取り組みと比較して、海外Top CVCではどのような取り組みがなされているのか、調査・分析を行った結果を紹介しています。
また、これらの調査結果を踏まえた上で、CVCに取り組まれている日本企業の方々に向けて、5つの提言をまとめました。
アンケート結果をもとに、国内CVCの設立の狙いや、運営体制、投資基準についてご紹介します。また、「株価が高騰しているのではないか」との声が高まる中で、今後の投資姿勢についても言及します。
国内CVCの取り組みと比較して、海外のTop CVCではどのような取り組みがなされているのでしょうか。調査・分析を行った海外Top CVCは、いずれも高いEXIT率を達成しており、優良ベンチャー企業に投資できている実態がうかがえます。一方で、CVCからの投資先を自社で買収する割合は決して高くないものの、同時に、本体でのM&Aでも積極的にベンチャー企業を買収している実態がうかがえます。
将来的に自社に対してより大きなインパクトを与えうるのは、既存事業とは一見関係なさそうな周辺領域のディスラプター(注1)かもしれません。市場の動きをタイムリーに察知し、投資検討すべき領域をしっかり見極めることが重要です。
(注1)ディスラプター:全く異なる技術やビジネスモデルにより、自社事業に壊滅的なダメージを与えうる新興企業
CVCを単なるベンチャー投資活動にとどめるのではなく、自社のビジネスモデル変革を見据えた取り組みとするべきではないでしょうか。やり遂げるには経営トップの強いコミットメントに加え、M&Aチームとの密な連携が必要不可欠となるでしょう。
CVC担当者には極めて高度な専門性が求められます。プロフェッショナルの中途採用や外部アドバイザーの採用だけでなく、長期視点での人材育成を戦略的に行うことが重要です。
競争力のあるベンチャー企業に投資ができているのであれば、財務リターンは自ずとついてくるはずです。財務リターンのモニタリングは、自社が競争力のあるベンチャー企業に投資できているか否かの判断の一助となるでしょう。
CVCは長期的に試行錯誤しながら自社なりの成功パターンを模索するような取り組みです。市況の悪化はむしろ投資のチャンスと捉えて、景気変動のサイクルを乗り切ることで、取り組みを継続することが大切です。