介護のしごと魅力発信等事業の評価分析に関する調査研究事業
厚生労働省が発表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」では、第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づいた都道府県による推計から、令和5年度には約233万人、令和7年度には約243万人、令和22年度には約280万人の介護職員が必要となる見込みであることが示された。令和元年度時点での介護職員数は約211万人であり、将来的に上記必要数を満たすためには介護人材の確保が必要となる。
このような状況を踏まえ、厚生労働省は多様な人材確保策に取り組んでいる。その施策のうちの一つである「介護職の魅力向上」については、平成30年度に大規模イベントを実施したことに続き、令和元年度以降「介護のしごと魅力発信等事業(以下、「魅力発信等事業」とする)」として年代や就業状況などセグメント別に多様な手法・チャネルを用いて情報発信をしてきた。魅力発信等事業として丸4年が経過する中、その価値を公平な視点で測るとともに、一層良い取り組みとするためには、確立された枠組みに基づいて評価し、必要に応じて戦略やアプローチ方法を更新することが重要である。
また、介護のしごとの魅力発信については、都道府県でも地域医療介護総合確保基金を活用した事業(以下「都道府県事業」という。)が実施されている。国全体として介護のしごとの魅力発信を推し進めるためには、国事業と都道府県事業が相互に連携し、必要に応じて役割分担をしながら事業を実施することが望ましいため、都道府県事業についても国が実施する「介護のしごと魅力発信等事業」とあわせた戦略検討が必要である。
上記の背景を受け、本事業は魅力発信等事業の価値を示すとともに、より効果を上げるための改善策検討に資することを目的として実施するものである。具体的には、魅力発信等事業の成果を明らかにして今後の戦略を検討するとともに、都道府県事業における評価の実施基盤を整えるための活動(手引きの作成など)を実施する。
なお、事業を進めるにあたって、令和4年度老人保健健康増進等事業「介護のしごと魅力発信等事業の評価分析に関する調査研究(PwCコンサルティング合同会社)」の成果物も参考にする。