事業統合事例:大手海運会社のコンテナ船事業の統合プロジェクトをサポート

2018-11-08

プロジェクトの背景

2016年に海外大手コンテナ船会社が破綻し、2017年も引き続き業界の低迷が続く中、多くのグローバルな巨大船会社が生き残りをかけてM&Aでの統合機会を模索していました。このような厳しい状況下、日本の海運業界を代表する会社である川崎汽船株式会社、株式会社商船三井、日本郵船株式会社が2017年10月、3社のコンテナ船事業の統合を通じて新たなコンテナ船会社を設立することを決定しました。

PwCのアプローチと提供価値

事業統合契約および株主間契約の締結前

PwCは、統合対象事業のバリュエーションと財務のストラクチャリングを行い、新会社の運転資金額を試算したほか、統合の影響について会計・税務面の助言を提供しました。

統合対象事業開始の準備

クライアントは、大組織となる新合弁事業の統合向けた全プロセスをゼロから構築する必要がありました。そのためPwCは1年以上にわたって、経理、財務、税務、企画を担う各部門における統合準備を支援しました。

提供業務には、各部門の活動のプロジェクトマネジメントだけではなく、各国代理店子会社の会計システムの導入をはじめとする業務運営支援も含まれていました。PwCが手掛けた主な業務は以下のとおりです。

  • ファイナンス部門全体のプロジェクトマネジメント
  • 事業計画の策定
  • 経営管理体制およびモニタリング資料の設計
  • キャッシュフォーキャストおよびキャッシュマネジメント
  • 子会社設立のための投融資
  • グローバルキャッシュマネジメントシステムの導入
  • IFRS(国際財務報告基準)に基づくグローバル会計基準
  • ファイナンス・オペレーション・ポリシー
  • ファイナンス部門の業務フローと各種テンプレートの策定
  • ERPの導入・および業務マニュアルの準備、システムベンダーとの協働による稼働後サポートを含む
  • 税務コンプライアンスおよび移転価格ポリシーを含む税務ポリシー、

など

プロジェクトがもたらしたインパクト

この統合により、世界で第6位のコンテナ船会社が誕生しました。グローバルな事業活動に向けた新会社の本部所在地はシンガポールであり、2018年4月よりサービスが開始されています。
同社の運航隻数は約230隻、輸送能力は144万TEU(Twentyーfoot Equivalent Units、20フィートコンテナ換算)。航路は85サービスをカバーするとともに、寄港地は100カ国200以上、子会社数は合計で約50社となっています。

{{filterContent.facetedTitle}}

{{contentList.dataService.numberHits}} {{contentList.dataService.numberHits == 1 ? 'result' : 'results'}}
{{contentList.loadingText}}