社会福祉法人等による法人後見の活用等に関する研究
成年後見制度利用促進基本計画によれば、今後の成年後見制度の利用促進の取り組みも踏まえた需要に対応していくため、地域住民の中から後見人候補者を育成し、その支援を図るとともに、法人後見の担い手を育成することなどにより、成年後見などの担い手を十分に確保することとしており、法人後見の担い手の育成・活動支援を行う必要があるとしている。このようなことから、障害者の権利擁護の観点から障害者の法人後見は重要な要素として捉えることができる。
ただし、社会福祉法人などによる法人後見の取り組みについては、後見監督などによる利益相反などへの対応を含めた透明性の確保を前提に、その活用を図っていくことが考えられる。
また、社会福祉法人においては、地域の様々なニーズを把握し対応していく中で、地域における公益的な取り組みの一つとして、低所得者の高齢者・障害者に対して自ら成年後見を実施することも含め、その普及に向けた取り組みが期待されている。
このような社会福祉法人による法人後見への期待を踏まえると、その普及のためには、法人後見を実施する上でのポイントが示されることで、利用者の権利擁護に即した法人後見を普及させることができると考えられる。
以上の背景から、本事業では、社会福祉法人などが法人後見に取り組む上で参考になるポイントを示すことを目的として調査研究を実施する。特に、国が示した成年後見制度利用促進基本計画にもあるように、「利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善」、「権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり」「不正防止の徹底と利用しやすさとの調査」といった方針を踏まえたポイントを示す。