2020-10-06
PwCコンサルティング合同会社は厚生労働省令和2年度障害者総合福祉推進事業の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。
【事業の概要】
難聴児・ろう児の早期発見や、補聴器・人工内耳の進捗および手話言語の社会的認知の改善等によって聴覚障害児童を取り巻く環境は近年急激に変化しており、我が国における取り組みの現況を知り、周知していくことが、今後の難聴児・ろう児支援のためには重要であると考えられる。
しかし、療育の現場で行われる具体的な支援や、手話を用いて日本語発達をもたらす支援について、実態を十分把握できていないのが現状である。
こうした背景を踏まえ、難聴児・ろう児を対象とした児童発達支援センター・事業所や放課後等デイサービス事業所、特別支援学校ないしは人工内耳実施病院等に対して、支援内容や各機関の連携状況を把握するとともに、地方公共団体における支援の枠組みの実態を把握すること、以上を踏まえた難聴児・ろう児の言語発達のための療育の質の向上に資する好事例集を作成することを目的とする。
グループホームは、入所施設や精神科病院等からの地域移行を進めるために整備が推進され、それらの支援において重要な役割を担っている。一方、平成18年度に障害者自立支援法のサービスとして位置づけられて以降、10年以上が経過し、さまざまな状況の変化が発生している。また、グループホームの利用者の中には一人暮らしや家族、パートナー等との同居を希望する者も存在する。一人暮らし等の障害者等の地域生活を支援するため、平成30年度に障害者総合支援法のサービスとして自立生活援助が創設されたが、現状ではサービスが十分に行き渡っていない。
以上の背景を踏まえ、本事業においてはグループホームや、障害者の地域生活を支える制度のあり方について検討する。
過去10年間で障害児通所支援の利用者数・サービス量は拡大しており、各事業所ではさまざまな支援手法がとられている。また、この間の状況変化(とりわけ女性の就労促進)に伴い、これらのサービスに対するニーズが変化している可能性も考えられる。
以上の背景を踏まえ、放課後等デイサービス・児童発達支援および医療型児童発達支援における支援の実態を把握し、各サービスの標準的な支援・サービス提供モデル(類型)のパターンを分析することで、今後のサービスの標準化に向けた議論の基礎資料とすることを目的として本事業を実施する。
地域生活支援事業は、地方公共団体が地域の実情や障害児・障害者ニーズに応じ、柔軟に実施する事業として平成18年度に創設された。このため、地方公共団体により事業の実態が多様なものとなっており、さらに近年、障害児・障害者の社会参加等が進む中、多様化するニーズに対応すること求められている。
このため、本事業においては、地方公共団体における地域生活支援事業の実態や課題についての整理を行うことを目的として調査を実施する。
自立生活援助については、平成28年の障害者総合支援法改正において、障害者支援施設やグループホーム等から一人暮らしへの移行を希望する知的障害者や精神障害者などについて、本人の意思を尊重した地域生活を支援するため、一定の期間にわたり、定期的な巡回訪問や随時の対応により、障害者の理解力、生活力等を補う観点から、適時のタイミングで適切な支援を行うサービスサービスとして創設された。
一方で、令和元年7月の指定事業所状況は全国で170事業所であり、37都道府県に留まっており、更なる自立生活援助の活用推進が求められている。
このため、自立生活援助に先駆的に取り組まれている指定事業所の従事者を中心とした検討委員会を設置の上、自立生活援助の運営ガイドブック及び従事者養成のための研修カリキュラムを作成し、全国の自治体へ周知を行う。
障害福祉計画に係る基本指針における地域移行については、福祉施設への入所、病院への入院から地域生活への移行に対応したサービス提供体制を整備することとなっている。
筋ジストロフィーによる入院患者については、長期の療養が必要なために入院しているのではなく、地域の資源が不足しているため在宅療養へ移行できずにいる社会的入院患者がいるとの指摘もある。
このため、国立病院機構が運営する病院の療養介護(筋ジストロフィー病棟)に入院している者の生活に関する意向を把握するための調査を実施する。同時に、全国の自治体に対し、地域で生活している筋ジストロフィーの患者への支援について実態把握調査を行い、自治体における支援の現状及び課題を整理する。
近年、ICTの発達や価値観の多様化等を経て個々人に応じた多様な働き方が徐々に広がりを見せるとともに、企業も業務の外注化等を通じて会社が持つ機能の再構築を進め、社会の経済活動の在り方も変化しつつある。
一方、こうした多様な働き方により社会参加を実現した障害者の実態の把握や、情勢の変化による就労支援の現場への影響等の分析は十分ではない。
このため本事業では、障害者就労における多様な働き方の実例とそれに対する支援の状況を明らかにするとともに、就労系サービスにおける在宅訓練の実施状況を把握する。