難聴児支援に係る中核機能の質の向上に関する調査研究
先天性の難聴児は1000人に1~2人程度とされているが、難聴児の状態像は多様であることから、乳児期の早期から切れ目のない支援と多様な状態像への支援が求められる。
難聴児の支援に携わる者は医療・療育・教育等の各分野の専門的知見を有しており、相互に専門的知見を共有することで、地域において、各分野が連携した難聴児への効果的な支援が実現できると考えられる。この連携支援を推進するため、厚生労働省では、令和2年度から「聴覚障害児支援中核機能モデル事業」を実施している。当該事業においては、福祉部局と教育部局が連携を強化し、聴覚障害児支援の中核機能を整備し、聴覚障害児と保護者に対し適切な情報と支援を提供することを目的としており、少しずつ難聴児の中核機能が整備されてきていると考えられる。
しかしながら、これらの連携支援を進めるに当たっての難聴児支援に係る中核機能については、全国で見ると地域によって中核となる機関やコーディネーターなどの専門人材の配置・派遣について様々な態様があり、中核機能の整備やそれを含む難聴児支援全体の体制強化や支援の質の向上のために、その地域の実情を踏まえながらどのような対応があり得るのかについては検討が進んでいない。
このため、難聴児の支援の質の向上のために、人材活用を含むどのような中核機能の体制整備をすることが難聴児支援を効果的に進めるために望ましいのか、今後の施策の在り方について検討が必要であると考える。
上述の背景を踏まえ、本調査研究では、難聴児支援に係る中核機能の質の向上のために、全国における難聴児支援の実態や取組が進んでいる自治体の難聴児支援の手法等を把握し、難聴児支援のためのあるべき体制や支援を実現するための方策を検討することを目的とする。
報告書等
報告書(PDF:2,308KB)