
2023-09-21
PwCコンサルティング合同会社は厚生労働省令和5年度障害者総合福祉推進事業の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施しました。
【事業の概要】
先天性の難聴児は1000人に1~2人程度とされているが、難聴児の状態像は多様であることから、乳児期の早期から切れ目のない支援と多様な状態像への支援が求められる。
難聴児の支援に携わる者は医療・療育・教育等の各分野の専門的知見を有しており、相互に専門的知見を共有することで、地域において、各分野が連携した難聴児への効果的な支援が実現できると考えられる。この連携支援を推進するため、厚生労働省では、令和2年度から「聴覚障害児支援中核機能モデル事業」を実施している。当該事業においては、福祉部局と教育部局が連携を強化し、聴覚障害児支援の中核機能を整備し、聴覚障害児と保護者に対し適切な情報と支援を提供することを目的としており、少しずつ難聴児の中核機能が整備されてきていると考えられる。
しかしながら、これらの連携支援を進めるに当たっての難聴児支援に係る中核機能については、全国で見ると地域によって中核となる機関やコーディネーターなどの専門人材の配置・派遣について様々な態様があり、中核機能の整備やそれを含む難聴児支援全体の体制強化や支援の質の向上のために、その地域の実情を踏まえながらどのような対応があり得るのかについては検討が進んでいない。
このため、難聴児の支援の質の向上のために、人材活用を含むどのような中核機能の体制整備をすることが難聴児支援を効果的に進めるために望ましいのか、今後の施策の在り方について検討が必要であると考える。
上述の背景を踏まえ、本調査研究では、難聴児支援に係る中核機能の質の向上のために、全国における難聴児支援の実態や取組が進んでいる自治体の難聴児支援の手法等を把握し、難聴児支援のためのあるべき体制や支援を実現するための方策を検討することを目的とする。
報告書等
重度障害者の就労支援は、雇用施策と福祉施策が連携を図りながら進めてきているが、「障害者の日常及び社会生活を総合的に推進するための法律等の一部を改正するための法律案に対する附帯決議」において、「重度障害者の職場及び通勤中における介護について、現在実施している雇用と福祉との連携による取組の実施状況や、重度障害者の働き方や介助の実態を把握した上で、連携の取組の改善及び支援の在り方について検討すること」とされている。
上述の背景を踏まえ、本調査研究では、重度障害者の働き方や就労中の支援の実態調査を行い、その実態を明らかにし、重度障害者の就労中の支援の推進方策について検討する。
さらに、障害特性に合わせた働き方を実現している重度障害者の働き方及び企業による配慮の好事例について取りまとめ、支援の推進を図る。
報告書等
障害者の入院中のコミュニケーション支援については、重度訪問介護を利用している障害支援区分6の者は、入院中も引き続き重度訪問介護を利用し、医療スタッフ等と意思疎通を図る上で必要な支援を受けることが可能となっているが、それ以外の障害福祉サービスの実施は認められていない。
「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて~社会保障審議会障害者部会報告書」(令和4年6月13日社会保障審議会障害者部会)において、「重度訪問介護利用者以外の入院中のコミュニケーション支援についても、保険医療機関の役割や合理的配慮等の関係も考慮しつつ、ニーズや実情を把握しながら、引き続き検討する必要がある。」と指摘されている。
上述の背景を踏まえ、本調査研究では、重度訪問介護以外の訪問系サービスの利用者の、入院中のコミュニケーション支援のニーズ及び支援の実態を把握するための実態調査を行うとともに、その実態を踏まえ、支援の課題を明らかにする。
報告書等
障害保健福祉分野における文書削減・事務負担軽減については、「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」が示した「医療・福祉サービス改革プラン」(令和元年5月)において、「障害福祉サービス等事業所に対して国及び自治体が求める文書や、事業所が独自に作成する文書の見直しを進め、文書量の削減に取り組む」とされたほか、規制改革推進会議第5回医療・介護・感染症対策ワーキング・グループにおいても、障害福祉サービス等事業者が指定申請等に際し自治体から求められる申請様式や添付書類に地方自治体ごとの差異(いわゆるローカルルール)があり、事業者の負担になっているとの指摘もされ、障害福祉サービス等における生産性向上を図る上での重要な課題と認識されている。
厚生労働省ではこれまで、『「行政手続コスト」削減のための基本計画』を策定し障害福祉サービス等事業所における事務負担の軽減に努めているとともに、各調査研究事業等を通じて、事務負担や文書量、地域差の把握を進めているが、他方で、こうした事業所における事務負担軽減については、介護保険分野ではすでに先行研究や取組の実践例が蓄積されており、令和4年12月には、介護予防・日常生活支援総合事業の指定に関する様式例の改訂が行われている。
障害福祉サービス等においても、介護保険分野におけるこれらの先行例等を踏まえ、また、障害福祉サービス等固有の特性も考慮しつつ、事業者の負担軽減の取り組みを一層推進していく必要がある。
上述の背景を踏まえ、本調査研究では、障害福祉サービス等の各種手続き(指定申請、報酬の加算に係る届出)において自治体が事業所に対して求めている書式及び自治体が実地指導に際して事業所等に提出を求めている資料の標準様式を策定するとともに、障害福祉サービス等事業所の負担軽減に係る自治体の先行的な取組事例等を把握する。
報告書等
障害者の意思を尊重した質の高いサービスの提供に資することを目的として、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(平成29年3月31日厚生労働省)が策定され、令和2年度からは相談支援専門員やサービス管理責任者への研修を実施する等の取組を推進しているが、支援現場で現状どの程度、意思決定支援の取組が進んでいるかは把握されていない。
また、厚生労働省では、障害者の結婚や出産、子育てを含め、障害者の希望を踏まえた適切な支援の実施について、障害者の意思と人格を尊重したサービス提供や意思決定支援、障害者の生活と子どもの養育を支えるための障害福祉・母子保健・児童福祉の連携による適切な支援が行われることが重要であるとの認識を持っている。
上述の背景を踏まえ、本調査研究では、障害福祉サービス等事業所における障害者への意思決定支援の実態を把握するための実態調査を行い、事例集を作成するとともに、意思決定支援の取組をさらに推進するため、適切な支援の在り方を整理し、政策検討に資する取りまとめを行う。
報告書等
報告書(PDF: 4,605KB)
意思決定支援 取組事例集(PDF: 2,645KB)
障害者が希望する「結婚・出産・子育て」支援 取組事例集(PDF: 1,341KB)
地域生活支援拠点等について、第6期障害福祉計画に係る基本指針においては、「令和5年度末までの間、各市町村又は各圏域に1つ以上の地域生活支援拠点等を確保しつつ、その機能の充実のため、年1回以上運用状況を検証及び検討することを基本」を図ることを掲げている。
厚生労働省が実施した市町村に対する調査では、令和3年4月時点で922市町村が整備済みであり、一部の市町村では整備未定となっている。
令和4年12月10日に成立した改正障害者総合支援法より、市町村において地域生活支援拠点等の整備の努力義務化と、都道府県による広域的な支援の実施が盛り込まれたところである。
上述の背景を踏まえ、本事業では、人口規模が小さい自治体での整備方法や都道府県の市町村への支援方法等も含めて、全国における好事例を収集して啓発することで整備の推進及び機能の充実を目的として調査を実施する。
具体的には、市町村及び都道府県に対して、書面によるアンケート調査を実施し、取り組みの異なる事例を抽出したヒアリング調査を実施することで、地域生活支援拠点等の整備類型、整備方法について類型ごとに事例を整理すると共に、事例集を作成することを目的として実施する。
事業者が提供する障害福祉サービスの質の確保・向上については、障害者自立支援法発足当初より重要な課題としてこれまでも様々な議論がなされてきた。
「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて~社会保障審議会障害者部会報告書~」(令和4年6月13日社会保障審議会障害者部会)においても、「居住や生活の場であり、運営が閉鎖的になるおそれのあるサービス類型については、地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れることが、事業運営の透明性を高め、一定の質の確保につながるものと考えられ、介護分野の運営推進会議を参考とした仕組みを導入することが有効と考えられる」との指摘がなされた。
上述の指摘を踏まえ、令和4年度に弊社が実施した障害者総合福祉推進事業「障害福祉サービスの質の評価のための基準等に作成に関する研究」では、介護分野の運営推進会議を参考とした「地域連携推進会議(仮称)」の開催及び当該会議に参加する者が施設等への訪問を行うことで、施設等の事業運営の透明性の向上・サービスの質の確保を図る取組を導入することが合意された。併せて、施設等が当該仕組みを導入するための「地域連携推進会議(仮称)の手引き」(以下「手引き」という。)を作成した。
また、検討委員会では、
との意見があった。
こうした背景を踏まえ、本調査研究では、事業所において、手引きを活用して試行的に「地域連携推進会議」を実施し、その実効性を検証する。また、実践を踏まえた手引きの課題を抽出し、必要に応じて手引きの改定を行う。
さらに、会議体の開催等による取組以外のサービスの質の確保方策を検討するため、共同生活援助の指定権者である都道府県等に対して、共同生活援助向け研修の実施状況等に関する実態調査を行い、全国の取組の実態を幅広く把握する。
報告書等
報告書(PDF: 1,093KB)
地域連携推進会議の手引き(PDF: 867KB)
(別冊)地域連携推進会議の手引き 資料編(PDF: 1,291KB)
(編集可能ファイル:地域連携推進会議の手引き 資料5)地域連携推進会議 参加依頼文(フォーマット)(Word:29KB)