PwC Japanグループ(グループ代表:久保田 正崇、以下、「PwC Japan」)は、M&Aを専門とするPwCアドバイザリーとPwCコンサルティングの生成AI(Generative AI)の専門チームが連携し、企業のAIケイパビリティを正確に把握し、将来的なビジネスへのインパクトを評価するAIケイパビリティのデューデリジェンス(以下、「DD」)サービスの提供を、本日より開始します。
近年、生成AIの加速度的な進化に伴い、AIやデータの価値はこれまでにないほど高まっています。その活用能力は今後の企業の競争力を左右する重要な要素となっており、多くの企業がAIやデータを核とした戦略的な成長を模索し、事業価値の根源をAIに置く企業も増加しています。また、企業はAIへの投資収益率(ROI)を重視するようになっていることから、AI技術やデータの獲得競争が激しさを増しています。AIの活用は、米国ではさらに進んでおり、日本企業が今後、海外企業との協業や新たな成長領域への投資拡大を目指す際にAIの活用が欠かせないことから、AIケイパビリティ獲得のためのM&Aが増加していくことも見込まれます。
これらのM&Aにおいて、買収対象企業が置かれている競争環境がAIの活用によりどのような影響を受けるかを見極めることは不可欠です。事業の将来収益が、AIケイパビリティに依存するケースも増加していますが、買収対象となる企業が組織として備えているAIケイパビリティについての専門的な評価には課題も多く、AIの進化による業界構造や競争優位性が急変する可能性が事業の将来性に与えるリスクやチャンスに対する分析・認識も十分とは言えない状況です。
そのような認識のもと、PwC Japanはビジネスデューデリジェンスの一環として、買収候補企業のAIの価値をビジネス(財務)とAIに精通した専門家の観点で評価することが重要と捉え、M&Aとテクノロジーの専門知識を融合し、AIやデータ関連の買収に特化したAIケイパビリティのDDサービスを開発しました。
事業買収におけるAIケイパビリティのDDサービス概要
PwC JapanのAIケイパビリティのDDサービスは、AIなどの技術革新が加速度的に進む社会において、企業が価値向上のための戦略を実行する手段として、AIやデータの価値を最大限に活用できるディールを実現し、企業価値創造とトランスフォーメーションを支援するものです。
具体的には、買収対象事業の価値を見極め、企業の競争力を最大化し、M&Aの成功確率を高めるために、以下6つの視点からAIの進化によるビジネスインパクトやAIモデル・データ資産およびチーム体制・インフラに関するケイパビリティを包括的に分析・評価します。
① ビジネスインパクト
AIが競争環境に与える影響を分析し、買収対象企業/事業の将来性に与えるリスクやチャンスを適切に把握
② AIモデルの技術と品質
AIモデルやアルゴリズムが持つ技術的な優位性やアウトプットの品質を分析し、ビジネス上の競争力や将来の収益性への影響を評価
③ データ資産
保有するデータのユニークさ、正確さ、取得方法や加工、保管なども含め、データの継続的/安定的な仕組みを総合的に評価
④ インフラ
システムインフラの整備状況や運用コストの妥当性を評価し、将来的な事業拡大への準備状況を明確化
⑤ チーム体制
開発チームの技術力や多様な専門性など、AIプロジェクトの成功の基礎を慎重に見極め
⑥ 倫理・コンプライアンス
社会的に公平で透明性の高い意思決定プロセスが備わっているか、AIの活用が倫理的に問題を引き起こさないかを検証し、企業が持続可能な成長を遂げるための基盤を確認