2024年2月2日
PwC Japanグループ
PwC Japanグループ(グループ代表:木村 浩一郎)は本日、「第27回世界CEO意識調査」の日本分析結果を発表しました。本調査は、2024年1月15日にPwCグローバルが発表した調査の中から、日本企業のCEO179名の回答に焦点を当て、世界全体や主要な海外諸国との比較分析を行い、日本企業が置かれている状況や今後の課題について考察したものです。
今回のグローバルの調査結果では、世界のCEOは足元の景気について前向きな見方を強める一方で、現在のビジネスのやり方を続けた場合、10年後に自社が経済的に存続できないとの考えも増えている現状が明らかになりました(前回39%→今回45%)。日本のCEOについても、世界経済に対して前向きな見通しを持つCEOが増えていますが、「10年後に自社が経済的に存続できない」と考える日本のCEOの割合は64%となりました。世界全体や米国、西欧と比較して相対的に高く、2年連続で半数を超えました。
「自社の改革を阻む要因」について聞いたところ、「自社の硬直的なプロセス」や「テクノロジーに対する自社の技術不足」などを挙げる回答が目立ちました。世界全体では「規制環境」や「限定的な財源」を挙げる回答が多く見られましたが、これらの項目について懸念する日本のCEOの割合は低い結果となっています。
革新的テクノロジーの代表として大きな注目を集める生成AIについて、日本のCEOは「自社の従業員の労働時間の生産性」や「自身の労働時間の生産性」を向上させたとの回答が4割を超えました。ただ、世界全体ではこれらの回答が約6割となっており、生成AIのもたらす成果については、まだ活用の余地を残しているようです。
気候変動対応としてどのような施策に取り組んでいるか尋ねたところ、日本のCEOは全世界や米中などと比較しても各項目に対して「進行中」と答えた割合が高い結果となりました。特に「エネルギー効率の改善」や「気候変動に配慮した新たな製品、サービス、技術の開発」についての割合が高い傾向にありました。
PwC Japanグループ代表 木村 浩一郎は次のように述べています。
「今回の調査では、日本のCEOの改革への意欲が各種の回答に表れる結果となりました。将来に対する危機意識の水準は前回調査時よりやや低下したものの、引き続き過半数のCEOが10年後の自社の状況を課題視している現状が浮かびます。その上で、多くのCEOが『改革を阻む要素は社内に存在している』と認識しており、自社単独でそうした課題を解決していくのは難しいと考えていることも伺えます。革新的テクノロジーの活用や脱炭素化はあらゆる企業にとって避けられぬ課題となっていますが、いずれも専門的な知見が欠かせず、さらにこれまで想定し得なかったリスクが突如として顕在化するという側面もあります。自社が現実的な危機に直面した時だけでなく、どのような経済・社会環境にあっても、まだ見ぬ危機に備え、自発的な変革を数十年にわたって持続できるのか――。経済や自社業績に対して堅調な見方が強まっている今だからこそ、企業はそうした姿勢を問われていると言えるのではないでしょうか」
以上
「第27回世界CEO意識調査」<オリジナルレポート(英語)>は、2023年10月2日から11月10日にかけて実施し、世界105カ国・地域の4,702名のCEOから回答を得ました。本調査におけるグローバルおよび地域の数値は、調査対象国・地域の世界の名目GDPに占める割合に基づいて加重されており、全主要国・地域でのCEOの見解が公平に反映されるように算出されています。業界別および国別の数値は4,702名のCEOの全サンプルの加重していないデータに基づいています。調査結果の全文はPwCのウェブサイトにてご覧いただけます。これまで実施してきたCEOへのインタビューについてはstrategy-business.com/mindoftheceoでご覧いただけます。
日本分析版は、そのうち日本企業の179名のCEOの回答に焦点を当て、世界全体や主要な海外諸国との比較分析を行ったものです。
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