PwCコンサルティング、企業への生成AIの導入・活用支援で ギブリーとの協業を開始

2024年3月28日
PwCコンサルティング合同会社

PwCコンサルティング合同会社（東京都千代田区、代表執行役CEO：大竹 伸明、以下「PwCコンサルティング」）は、国内主要産業の業界・職種の実務に合わせた生成AIの活用を支援するために、法人向けChatGPT活用プラットフォーム「法人GAI」・同行政機関向けの「行政GAI」、企業内での生成AI環境の開発支援などを通して、法人の生成AI活用を支援する株式会社ギブリー（本社：東京都渋谷区、代表取締役社長：井手高志、以下「ギブリー」）との協業を開始します。ギブリーとの協業を通して、PwCコンサルティングは企業の生成AIを活用したDX実現に向けて、戦略策定から開発、ガバナンスの構築までの一連のプロセスをワンストップで支援するとともに、特定の業界や職種における固有の課題を解決する生成AIのソリューション開発・提供を行います。

PwCコンサルティングの生成AIへの取り組み

PwCコンサルティングは、PwC Japanグループの他のメンバーファームとともに生成AIの専門タスクフォースを組成し、2023年4月から、多くのクライアントに対して生成AIを活用した事業開発、社内活用、リスク管理に関わるコンサルティングサービスを提供しています。今後、企業において業務への生成AI本格導入フェーズに移行することが予想され、ますます多様化する企業ニーズに応え、生成AIによる持続的な効果創出のための支援を実現するために、従来の取り組みに加え、さまざまなパートナーとの協業を推進し、互いの強みを組み合わせることでより多面的かつ実践的な支援を行っています。

ギブリーの生成AIへの取り組み

ギブリーは、米OpenAI社が提供するGPTと連携した法人向け生成AI活用プラットフォーム「法人GAI」「行政GAI」を国内最速でリリースし、大手企業を中心に累計で400社以上に生成AIの活用を支援してきました。またMicrosoft社のAzure OpenAI Service リファレンスアーキテクチャのパートナープログラムに参画し、Microsoft社との連携を強化することで、SaaS型プラットフォームだけでなく、企業ごとの生成AI活用の専用環境構築支援、自社データとLLMを連携させるためのRAG（Retrieval Augmented Generation）開発支援、プロンプトエンジニアリング研修サービス、プロンプトBPO、Copilot活用支援など、企業における生成AIの導入・活用支援をスピーディーかつ多角的に行ってきました。また、これら新規事業領域にて、アジリティを持って市場や顧客要望に対応をするために、国内外問わず、生成AIに関わる専門領域において優れたエンジニアが在籍するコミュニティを組成し、迅速に生成AI開発の事業検証ができる体制を構築しています。

本協業の目的

企業における生成AI活用は、簡易的な環境構築とPoCに留まるケースが多く、ユーザーの利用定着や具体的な効果創出には課題があるのが現状です。今後、特定の業界や職種固有の課題、ユースケースに最適化した生成AIの活用基盤を構築することで、これらの課題を解決することが期待されています。本協業は顧客の生産性向上、新たなビジネス創出、および人材のデジタルケイパビリティの底上げに寄与することを目的としています。

PwCコンサルティングのAI領域におけるテクニカルな支援ノウハウに加え、豊富な業界知見、ビジネス構築力と、ギブリーの生成AI領域の開発力を融合し、より深く多面的に企業ニーズを汲み取り、業界・職種の特定業務における生成AI活用を促進します。今後両社は、金融サービス、小売・消費財、ヘルスケア、製造業など重点業界を定め、セールスマーケティング、サプライチェーン、研究開発など、それぞれの業界における業務機能にわたり、顧客が持つ特定のビジネスニーズに応える、安全で責任のある生成AIのソリューション開発を行っていきます。具体的には以下の領域にて協業を行います。

生成AI導入に向けた戦略立案から実装支援

• 全社生成AI戦略立案
  社会経済、技術動向などの未来洞察、先進事例や規制・リスク管理動向などを踏まえ、安全で責任のある生成AI導入に向けて戦略立案をします。PwCコンサルティングの豊富な戦略コンサルティングの経験と生成AI活用における実績、ギブリーの生成AI関連の技術と知見を融合させた個社最適の生成AI戦略の策定を支援します。
• 個社最適、業界最適、職種最適された生成AIユースケ―スの企画・環境構築
  各業界、職種、各社固有のワークフローを生成AIによって自動化・効率化し、具体的な生産性向上に寄与するためのユースケ―ス企画と専用環境構築を支援します。PwCコンサルティングの各業界へビジネスプロセス変革の実績と、ギブリーの生成AIにおける業務自動化実績を融合した企画、開発を行います。
• 生成AIガバナンスデザイン・リスクマネジメント
  PwCコンサルティングが保有するAIガバナンス構築支援サービス^*1を活用し、生成AIの技術的リスクだけではなく、各国の法規制トレンドや倫理面などを考慮し、実装プロダクトとその利用実態に即した網羅的なガバナンスポリシーを策定します。規制中心の「守りのガバナンス」だけではなく、安心して積極的に推進をするための「攻めのガバナンス」を実現し、企業における生成AI活用ならびにそれによる業務効率化や新規ビジネスの創出を促進します。
  ^{*1 https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/analytics/responsible-ai.html}

• 定着化に向けた人材育成・およびデジタルケイパビリティ向上支援
  全社員が日常業務レベルで生成AIを効果的・継続的に活用している状態を目指し、PwCコンサルティングが保有するAI人材育成に関するノウハウを活用しながら、座学およびハンズオン形式での実践的な生成AI活用のトレーニングコンテンツを提供します。またトレーニングに留まらず、その後の業務活用モニタリングやコミュニティ組成によるベストプラクティスの共有など、顧客と一体となり、生成AIの現場定着を支援します。
• 伴走型の生成AI実装チーム立ち上げ支援
  顧客が持つ業界や職種の特定のビジネスニーズに応えるプロトタイプ開発を行い、技術進化の展望をもとに、実現可能性と実用性を見極めながら、会社内への生成AI実装を支援します。上記を実現するために、生成AIの専門領域ごとにエンジニアリングリソースを供給し、迅速かつ最適に開発チームを構築します。

PwCコンサルティングは今後も、生成AIが産業にもたらす大きな変革への企業対応を支援し、日本企業の競争優位性の確保と持続的な成長、ビジネス変革を支援するとともに、日本の社会・産業構造の発展に貢献することを目指します。

PwCコンサルティング合同会社
上席執行役員 パートナー 藤川 琢哉／執行役員 パートナー 三善 心平

2022年冬以降の生成AIの台頭により、日本企業における生成AIの認知や活用に向けた取り組みに劇的な進捗が見られ、生成AI技術を適用可能な業務や、得られる効果についての理解にも一定の向上が見られています。ただし、技術基盤を導入するだけではなく、その後、投資に見合った大きな効果を引き出すためには、戦略策定・仕組みの構築が必要不可欠です。2024年においては、すでに多くの企業が本格的な生成AIの社内導入の目途を立てており、今後、継続的な業務活用と効果の刈り取りに関する課題が顕在化することが想定されます。課題解決のためには、ビジネスプロセスに即した適切なユースケ―ス企画に加え、技術環境のクイックな構築とブラッシュアップ、それらを活用する社内人材の育成、生成AIを安心・積極的に活用できるガバナンス体制の構築など、さまざまな側面の活動を一体化させ推進することが重要と考えます。ギブリー社との協業を通じ、このような包括的支援を実現することで、日本企業の国際社会における競争優位性の確保と持続的な成長、生成AIを活用したイノベーティブなビジネス変革の実現を目指します。

株式会社ギブリー 代表取締役社長 井手 高志

2023～2024年は、生成AIの時代の幕開けとして記憶されるでしょう。この技術は、私たちのビジネス環境に革新的な変化をもたらし、未来への新たな道を開いています。企業にとっては、この進歩的な技術を迅速に取り入れ、その可能性を最大限に活用する絶好の機会が到来しています。
このような環境下で、生成AIを含む技術進化のトレンドを適切に理解し、その実用性を正確に評価しながら、企業内での活用を促進することは、ビジネスの成長に不可欠です。
PwCコンサルティング社のAI領域における深い知識と業界横断のビジネス構築能力、そしてギブリーの生成AI分野における先進的な開発力と迅速な組織構築力を結集することで、企業の持つ潜在的な課題やビジネスニーズを的確に捉え、ビジネス変革へと導くことができると確信しています。
この協業を通じて、私たちは企業のイノベーションと持続可能な成長をサポートし、共に新しいビジネスの未来を築いていくことを目指します。

以上