※2023年11月15日付けのPwC発表資料の翻訳です。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
PwCの「グローバル投資家意識調査2023」によると、投資家10人中9人以上(94%)が、企業のサステナビリティ報告書には根拠のない主張が含まれていると回答しています。
PwCでは、多岐にわたる国や地域、資産クラス、投資アプローチをカバーする345名の投資家やアナリストを対象に、投資対象の企業に最も影響を与える要因について調査を実施しました。本調査は、2021年から3年連続で実施しています。
本調査では、マクロ経済やインフレへの懸念が投資家にとって依然として最大の関心事であるものの、2022年のピーク時よりは重要度が低下したことが明らかになりました。また、投資判断の材料として、特に気候変動問題のリスクへの懸念が大幅に上昇しており、サイバーリスクと並んで32%となっています。
一方、本調査はテクノロジーの変革がもたらす投資環境の構造変化も浮き彫りにしています。投資家の59%が、今後3年にわたり、企業が価値を生み出す方法に影響を与える可能性が最も高い要因として、テクノロジーの変化を挙げています。具体的には、投資家の61%がAIの迅速な導入が「とても重要」または「極めて重要」であると回答しています。
サステナビリティも、引き続き投資家にとって極めて重要な要因となっています。2022年の調査結果からは4ポイント減少したものの、75%の投資家は、企業がサステナビリティ関連のリスクや機会にどのように対応しているかが投資判断の重要な要因であると回答しています。
PwC 英国 グローバル・アシュアランス・リーダーのJames Chalmersは次のように述べています。
「私たちは、これまでの気候変動やテクノロジーに関する変化の重要性についての認識を高める段階から、投資家が、具体的で厳しい質問を投げかける段階に移行しつつあります。投資家は、企業が各社の戦略においてこれらの問題にどのように取り組んでいるか、また、企業が関連するリスクや機会をどのように分析し、そのなかで真に重要なものが何かをどのように特定しているかについて、知りたがっています。このような背景を踏まえ、企業報告書は、投資家およびその他のステークホルダーにとって、信頼でき、一貫性があり、比較可能な情報を提供できるよう、進化し続ける必要があります。」