PwCコンサルティング、従業員向け幸福度マーケティングサービス提供開始

従業員向け幸福度マーケティングサービスの特徴

当サービスの主な特徴は以下2つです。これらを踏まえ、従業員を対象とした幸福度マーケティングの「診断」「分析」「打ち手設計」「KPI設計・モニタリング」を行います。

1.幸せ志向

仕事から得られる満足度に留まらず、従業員の「人生全体の満足度」まで高めることを目指し、従業員の人生の幸福という「幸せ志向」をデータで可視化します。従業員の幸福度を高めるための要因分析では、従来主流となっている従業員満足度/勤務先満足度(Employee Satisfaction、ES)や推奨度(eNPS、Employee Net Promoter Score)を測定する指標を組み合わせることも想定していますが、サービスの企画・実行段階を通じて目指すのは、従業員の「人生全体の満足度」である点が大きな特徴です。これは、「職場では、従業員の人生の幸福度を高めることまで踏み込むことで、幸せおよびウェルビーイングを軸としたパーパス経営を行うことができる」という幸福度マーケティングの思想に基づいています。

2.マーケティング志向

幸せおよびウェルビーイングに対する考えは、多種多様です。そのため、従業員のタイプごとに幸せな職場のあり方が異なるという「マーケティング志向」を取り入れ、従業員との関係構築を図ります。具体的には、従業員の幸福度を含む調査結果に基づき、クラスタリングなどの手法を基に従業員をセグメンテーションします。その上で、セグメントごとの幸せのドライバーを特定し、打ち手の設計を行います。

当社は本サービスの提供を通じ、「幸せ志向」「マーケティング志向」で経営を行うことにより、生産性・創造性の高い組織をつくり、顧客の幸福度向上にも寄与できるよう支援します。

【参考】従業員向け幸福度マーケティング実施例

本サービス提供開始に先立ち、株式会社サンリオエンターテイメント様およびPwCコンサルティングにて、従業員向け幸福度調査を行い、幸福度向上に向けた施策立案を実施しました。サンリオエンターテイメント様の先行事例とともに新サービスをご紹介することで、より多くの経営者に従業員の幸福度向上につながる具体的な施策を知っていただき、幸福度を軸とする経営変革を支援できればと考えています。

株式会社サンリオエンターテイメント事例

従業員237名を対象に、2021年6月に幸福度調査を実施。主な結果として、以下3点が浮き彫りとなりました。この結果を踏まえ、同社では、引き続き、幸せを起点とした企業経営を推進していきます。

  1. 同社の従業員の幸福度は、どの性別・年代で見ても日本全体の幸福度の平均値より高い
  2. 同社の従業員の“Kawaii感情(自分、家族、友人など、人に対してかわいいと思う頻度)”は極めて高く、それが高い幸福度につながっている可能性がある
  3. 平均的に見ると高い幸福度だが、幸福度が低い(14以下)従業員も14%存在。今後の企業経営の改善点として着目していく

詳しくは、サンリオエンターテイメント社のプレスリリース(https://www.sanrio-entertainment.co.jp/information/211104_01.html)をご参照ください。

サンリオエンターテイメント代表取締役社長小巻亜矢氏のコメント

価値観が多様化し、働き方や消費者動向もよりパーソナライズ化している今、環境や人間関係といった外側ではなく、個人の内部で「幸せ」を感じているかどうかを計る必要が増してきています。幸福度をあげることで生産性や創造性が改善され、企業経営の継続性強化が図れる点や、ますます変化の激しい社会のなかで、さらには人生100年時代といわれるような長寿社会が前提となっている今、いかに幸せに年を重ね、幸せに長く働けるかが根本的な課題であるという点でも、幸福度の観点から現状を確認し、課題改善の方向へ導いていく具体的な方策を多様な業態の企業とともに考えていきたいと思っています。

PwCコンサルティング事例

従業員向け幸福度マーケティングサービスのパイロットプロジェクトとして、PwCコンサルティング従業員の幸福度の把握を目的に、2021年9月にオンラインアンケートを通じて実施、調査・分析しました。有効回答数は890で、主な結果として、以下3点が浮き彫りとなりました。本調査を幸せおよびウェルビーイング視点での組織の健康診断と位置づけ、調査を通じて得られた示唆から当社のさまざまな従業員向け施策に活用するだけでなく、今後も継続的に可視化・分析していく予定です。その取り組みから得られた知見は、従業員の幸福度向上を図りたい企業にも提供していきます。

  1. PwCコンサルティングの従業員の幸福度は、上位職に限らずどの階層でも高い
  2. 「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)だけでなく「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子/利他性も表す)が高く、当社のコラボレーティブなカルチャーを体現しているように見受けられる
  3. PwCコンサルティングの従業員を8つのクラスターに分類したところ、1つのクラスターの幸福度は低い水準に留まった。今後の企業経営の改善点として着目していく

調査方法

幸福度※4や、国内幸福学研究の第一人者である前野隆司氏(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)が定義している幸せの4因子(やってみよう!因子、ありがとう!因子、なんとかなる!因子、ありのままに!因子)を、クラスタリング※5等の分析手法と掛け合わせて分析しました。PwCコンサルティングの従業員を対象とした調査では、パーソナリティ特性別の幸福の状態を見ることを目的にビッグファイブ(特性5因子)※6の指標も用いています。

以上

※1 幸福度マーケティングwebpage
https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/happiness-and-well-being-design-initiative/well-being-marketing.html

※2 Shawn Achor. The Happiness Advantage: The Seven Principles of Positive Psychology that Fuel Success and Performance at Work.2010

※3 James H Fowler, Nicholas A Christakis. Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study. British Medical Journal. 2008.

※4 測定には、米国イリノイ大学名誉教授Ed Diener氏が開発した「人生満足尺度」と、前野氏が開発した「幸せの4因子」を採用

※5 データ解析手法のうち、機械学習における教師なし学習の一種であり、データ間の類似度に基づき、データをグループ分けする手法

※6 経験への開放性、堅実性、協調性、情動の安定性、外向性の5因子でパーソナリティ特性を分類する手法

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