2000年代半ば以降、ウェブ上の地図はプラットフォームとしての活用が一気に進みました。これらは、紙の地図のように静的に記された建物や場所の位置だけでなく、刻一刻と変化する動的なデータや情報を位置に合わせて表示できることから、今日も多くのビジネスやサービスで利用されています。
一方、近年ではスマートフォンに搭載されたGPSやビーコンによる測位データと、カメラやセンサーによる計測データなどを組み合わせることで、3次元の位置情報にさまざまなデータを紐づけられるようになりました。同様にIoTでは、デバイスがセンシングしているデータをその3次元の位置データと紐づけることで、断続的なデータや情報の生成が可能となっています。このようにスマートフォンやIoTデバイスが生成するデータおよび情報と3次元の位置情報の組み合わせは、ウェブ地図と同じくビジネスやサービスのプラットフォームとして利用することができます。
将来的にはモビリティの完全自律走行、状況に応じた避難・防災情報の提供、今までにないUIデザインを有するエンターテイメントコンテンツの制作など、空間情報同士の連携だけでなく、サイバー空間との融合により新たなサービスが生まれることも期待されます。しかし、測位データはウェブ地図上の情報とは異なり、高低差によって得られるデータや情報が変わる可能性があるため、3次元の位置の扱いには工夫が必要となります。そして、情報やデータの取り扱い方やデータ形式の標準化を進めるなど、解決すべき課題もあります。
本セミナーでは、デジタルテクノロジーによる3次元空間の活用をテーマとし、その最新動向や今後の展望、ビジネスの可能性について解説します。
また、日本国内で3次元空間のデータ化やプラットフォームの構築、それらを活用するビジネスやサービスの開発を進めているProject PLATEAU、コモングラウンド、空間IDをリードするスペシャリストにお集まりいただき、3次元空間利用の最新活用動向や、今後の社会実装に向けた展望、それぞれがもたらすビジネスの可能性について議論します。