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働き方改革、デジタルトランスフォーメーション(DX)そしてパンデミック対策などで、在宅勤務・テレワークが推進されている中、監査においても国内外を問わず遠隔地の拠点に対するモニタリング方法の見直しが求められています。これまで主流であった遠隔地の拠点にまで実際に足を運ぶオンサイトモニタリングに代わる、物理的な制約を受けないデータ分析を活用したリモートモニタリングの必要性が高まっています。
遠隔地の拠点に対してモニタリングを実施する場合、対象拠点からどのように情報を収集するかが要点となります。DXが進む今日では、多種多様な情報をデータ化し、それを容易に共有することが可能となっています。そのため、従来の「人の移動」を伴うオンサイトモニタリングではなく、必要な情報をモニタリング実施者に届ける「情報の移動」を軸としたリモートモニタリングが注目されています。
リモートモニタリングの中で行われる、(1)データ分析によるリスク評価、(2)データ監査による統制評価を例として、リモートモニタリングの特長を説明します。
「データ分析によるモニタリング」と言うと、取引明細のように大量のデータに高いコストと時間をかけて実施するイメージを持たれるかもしれません。しかしながら、リモートモニタリングで活用するデータは、必ずしも大量データである必要はありません。例えば「貸借対照表・損益計算書」や「残高明細データ」など少量のデータであっても、継続的かつ広範囲にわたって入手・利用することで、遠隔拠点のビジネスの全体像を捉え、リスクが顕在化していないかどうかをリモートで適時に把握することが可能です。
取引明細データのように、多様な情報かつ大量のデータを利用したデータ監査により、各拠点で実施されている統制活動に踏み込んだリモートモニタリングが実現できます。
例えば「受注登録が行われていない商品の出荷を行うことはできない」という統制活動に対して、「受注データとひもづかない出荷データを特定する」ことで、当該統制活動からの逸脱をリモートで検証することができます。
発見された取引をモニタリング実施者が直接調査しなくても、情報を現地の管理者や内部監査人にフィードバックすることで、現場の管理・監督機能をリモートで支援することができます。同時に、監査人がオンサイトによる監査を実施しなくても、こうした具体的な取引を明示するデータ監査を実施することにより、リモートで遠隔地に対してけん制や抑止を効かせることも可能です。
PwCは、外部監査・内部監査・アドバイザリーの経験と知見に基づく150種類以上のさまざまなテストシナリオを実装したデータ分析プラットフォーム、Financial Processes Analyser(FPA)を開発しています。FPAは、総勘定元帳・連結精算表のような一般的なデータの分析から、売上明細や仕入明細などの取引明細を用いた詳細なデータ分析まで、幅広い分析を行うことができます。全世界共通のデータ監査のモニタリングダッシュボードとして、リモートモニタリングの迅速な実現をサポートする、強力なツールです。
リスクが多様化し、リソースが限られる今日では、必ずしもオンサイトによらないモニタリングが強く求められています。またこのような経営環境下、企業が持続的に価値を創造していくためには、適時にリスクを把握する必要性がますます高まっています。いかなる状況でも企業全体と各業務プロセスのリスクを浮き彫りにする、データ分析を用いたリモートモニタリングの導入が、不確実な時代を乗り越えられるかどうかの鍵を握っていると言えるでしょう。