
不正や不祥事を防ぐ循環型の仕組みでリスクカルチャーをアップデート―社会との認識のズレを修正し、多様な価値観を包摂
業界や企業の内的要因によるリスクに対してコンプライアンス研修やルール整備を行っているものの、不正や不祥事を防ぐまでには至っていない現状について、「リスクカルチャー」という視点から考察し、対策を探ります。
モデルガバナンスの方向性を示したガイダンスとして、米国連邦準備制度理事会(Fed)および通貨監督庁(OCC)が2011年に公表したFed SR 11-7/OCC 2011-12(以下、SR11-7)が挙げられます。これは事実上の業界標準として、米国・欧州の金融機関で広く参照されています。
同ガイダンスは、他のリスクと同様にモデルリスクを管理する仕組みの導入を求めており、金融機関はモデルの開発・検証プロセスの整備のみならず、モデルリスクの評価・報告を行うことが重要となります。
SR11-7の下では、モデルに係るリスク情報を経営陣に報告する態勢が必要であり、経営陣の関与の下で適切な管理・改善が行われることが求められます。そのため、モデルリスク評価やモデルリスク報告の態勢を整備し、経営陣が効率的・実効的に関与できる態勢を確保することが一般的です。
具体的には、各種モデルの統制・品質管理という観点からモデル文書の作成やモデル検証の実施に加えて、経営陣の関与、3線による防御態勢、組織横断的なモデル定義の確立などが求められます。
PwCは金融機関におけるモデルガバナンス態勢の構築に関して、多岐にわたるサービスを提供しています。
モデルの範囲としては、時価評価モデルやリスク計測モデルだけでなく、コンプライアンス関連のモデルやアルゴリズム取引に関するモデルなど、広くカバーすることが期待されます。組織横断的で一貫性を伴ったモデルを定義し、管理対象を明確に定めた上で、モデルインベントリの整備を支援します。
モデルを開発・運用する部署へのけん制機能を果たす役割として、モデルリスクを管理する部署やモデル検証を行う部署を設置することが一般的です。各組織との役割分担を明確にした上で、実効的なけん制機能の確保・検証内容の拡充を支援します。
SR11-7の下では、モデルに係る重要なリスク情報を経営陣に報告する必要があります。経営陣が効率的・実効的に関与し、適切な管理・改善を行うことができる態勢の確立を支援します。
モデルガバナンスの態勢整備が実効的に行われていることを評価し、助言・勧告を行う役割を担う第3線の機能である内部監査の実施を支援します。
業界や企業の内的要因によるリスクに対してコンプライアンス研修やルール整備を行っているものの、不正や不祥事を防ぐまでには至っていない現状について、「リスクカルチャー」という視点から考察し、対策を探ります。
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