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わが国のEDINET(※1)やTDnet(※2)での成功に見られるように、企業とマーケット/投資家を結ぶ情報開示の分野において、XBRLはその存在感を増し、すべてのビジネスを結ぶ究極の情報フォーマットとしての発展が期待されています。IR情報として、決算短信、有価証券報告書をXBRLで記述し、企業のウェブサイトで提供している企業も次第に見られるようになりました。経済活動が国際化していく中で、世界中のマーケット/投資家はより手軽に早く正確な情報を入手することを欲し、実際に、企業の情報により多くの注目が集まる土壌が整ってきているのです。
※1 Electronic Disclosure for Investors’ Network、金融庁の「金融商品取引法に基づく有価証券報告書などの開示書類に関する電子開示システム」
※2 Timely Disclosure Network, 東京証券取引所の「適時開示情報伝達システム」
2009年1月30日、SEC(米国証券取引委員会)もついに、XBRLによる財務報告書の届出を義務とする規則(“Interactive Data to Improve Financial Reporting”)を正式に発表しました。この規則により、SEC登録企業は、財務報告書をXBRLで記述された双方向データ形式でSECに提出し、自社のウェブサイトにも掲載することが求められるようになります。この規則の中でSECは、登録企業の決算財務報告プロセス中に、XBRL文書の信頼性と正確性を担保するための内部統制を新しく整備する必要性に言及しています。
これに対しAICPA(米国会計士協会)は、2009年4月、このSECの新しい規則に関する意見書※3(Statement of Position 09-1)を発表しました。AICPAの意見書(SOP)は、米国会計基準(US GAAP)に分類されている関連文書の4つのカテゴリのうち、2番目に信頼性の高いカテゴリBに分類されるものです。この意見書は、企業が自らの力でXBRL文書の完全性、正確性、継続性を証明することが困難な場合を想定して、会計士や監査法人がある規則(AT201)に従って、その証明を支援する道筋を示したものです。前述のSECの新規則では、XBRL文書に対する外部監査人の保証(Assurance)は必須ではないと明記されていますが、一方では開示されるXBRL文書への信頼性を高く保つことを登録企業に求めています。XBRL文書による開示で、利便性が高められたとしても、その内容が信頼できなければ、投資家や経済社会と企業との双方向性を高める目的が実現されないからです。企業から依頼を受けた会計士や監査法人などは、業務としてこの証明のための手続を実施することができます。
※3 英字タイトル:“Performing Agreed-Upon Procedures Engagements That Address the Completeness, Accuracy, or Consistency of XBRL-Tagged Data”
SEC Staff observation (2011年12月13日公表 ※4)によると、典型的な誤りの例として以下のものが掲載されています。
1.Format of the Statements
XBRLフォーマットとHTMLフォーマットの財務諸表との完全な一致は必要なく、それよりもタギングの品質に注意を払うべきである。
2.Negative Value
HTMLフォーマットによりかっこ書きで記載されているマイナスの値を持つ項目について、XBRLフォーマットでもマイナスの値(Negative Value)となるわけではない。もっとも良くあるエラーとして、この誤ったNegative Valueによる入力が挙げられる。
3.Extended element (独自拡張タグ)
不必要なExtended elementの使用が散見されていることから、標準タクソノミーのUS GAAP Elementではなく、 Extended elementを利用する際の検討フローを紹介している。
4.タギングの網羅性
財務諸表の補足説明や注記文章にある数字についても、タギングが必要である点に注意が必要。また、文章内で文字で記載され、数字で表されていない金額( 例えば、seven hundredなど)についても、タギングが必要となる。
※4 Staff Observations from the Review of Interactive Data Financial Statements (from December 13, 2011)
そうは言っても、自らがXBRL文書の完全性、正確性、継続性を証明するというのも困難でしょう。既に社内のXBRLに精通した専門家が財務報告書のXBRL化において活躍されている場合は別ですが、多くの場合、専門業者のXBRL変換サービスを利用されていて、自らXBRL文書の正確性を証明しなければならないとなると、どうすればよいか不安になるものです。実際、SECから発表された数多くのエラーの実例を見ても分る通り、SECルールに正確に準拠していないXBRL文書を提出しており、改善努力が必要と思われます。そこで、「合意された手続」(AUP:Agreed Upon Procedures)です。合意された手続とは、公認会計士や監査法人が提供する証明業務の一つで、本来何らかの事実を証明をすべき企業とPwC Japan有限責任監査法人の間で事前に合意した手続きをまとめ、それをPwC Japan有限責任監査法人が実施、その結果を報告するという業務です。前述のAICPAがSOP 09-1として発表した意見書は、このAUPの枠組みで、XBRL文書の完全性、正確性、継続性を会計士や監査法人が証明する具体的なガイダンスです。AUPを利用するメリットは、
PwCのメンバーファームであるPwC Japan有限責任監査法人のアドバンテージとして、PwCの米国法人が、
という事実があります。以上の経験から蓄積された人的・知的リソースをPwC Japan有限責任監査法人も共有しています。それらを最大限に利用し、SOP 09-1に対応したAUPにおいて、XBRL文書の完全性、正確性、継続性を証明するための正確で効率的な手続きの実施を支援し、併せてXBRL文書作成に関する内部統制の改善を提案します。