Anaplanによる経営管理業務の高度化サービス

先行き不透明な経営環境
――不確定要素が多い環境であるがゆえに経営の舵取りが難しい

急激な為替変動や原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱、地政学的な緊張など、いまグローバル経済で多くのことが起きています。

こうしたなか、PwCの調査によると、企業の経営層は世界の各拠点から報告される「フォーキャスト情報」、つまり「自社の業績が将来どのようになるのか」を重要視しています。一方で、経営の意思決定を行ううえで信頼に足る情報を十分に得られている企業はそれほど多くないのが実態です。

経営層はこうした不確定要素が多い環境のなか、信頼性が高いとはいえない自社の将来業績予測を基に、経営の舵取りをしなければならないという難しい状況にあるといえます。

<フォーキャスト情報を信頼できない主な理由>

  • データ精度が低い・・・データの欠損・正確性に欠ける。また見たい粒度となっていない。
  • データ鮮度が低い・・・データの収集に時間を要するほか、収集頻度が少なく情報が古い

なぜ今、EPM(Enterprise Performance Management)が注目されるのか

経営環境が目まぐるしく変化し、不確実性が高まる中で、未来を正確に予測することが困難だからこそ、戦略としての「シナリオプランニング」の重要性が高まっています。

将来に起こり得ることを踏まえた、確度が高いプランを作成することは確かに重要です。しかしそれ以上に「こういったことが起こる可能性がある」と前もって「リスク」を把握し、想定外の事象が生じたときに適切な行動を取れるように想定シナリオを描いたうえで事業の方向性を定め、戦略を組むことの重要性が高まっています。

Anaplanは、経営管理の高度化を実現するためのプラットフォームとしていま注目されており、経営者が求めるシナリオ(経営ドライバーの変動)において、「財務三表」や「連結会社別/事業別ROIC指標」への影響額がどれくらいになるかをタイムリーに試算し、可視化することができます。ただし、どのようなシミュレーションを実現したいかは、企業文化や事業特性を踏まえた設計が必要となります。

Anaplan導入の狙いおよび期待効果
――実績集計中心から分析・施策検討中心へ

予算実績管理業務を行うにあたり、担当ごとに表計算ソフトで集計し、それを管理部門が集計するといういわゆる「バケツリレー方式」を採用している企業においては、「データの質と信頼性が欠如している」「迅速に適応することが困難である」「部門間や関係者間のコミュニケーションが不足している」といったさまざまな問題を抱えていることが多いです。その結果、本来の予実差異における原因分析や、分析結果に基づく打ち手の検討に十分な時間を割けていないというケースが多々見受けられます。

予算実績管理業務をAnaplanへ移行することで、表計算ソフトによる管理業務で抱えていた多くの課題を解決することが可能です(業務削減効果は平均的に3割前後)。ただし、単純に表計算ソフトを置き換えただけでは効果は限定的であり、Anaplanの導入と併せて業務を最適化(データの入力・加工プロセスを最適化した上でのシステム化)することが重要となります。

Anaplan導入前

Anaplan導入後

主な導入効果

  1. 報告資料作成の工数削減・・・報告資料ドラフトの自動作成
  2. 集計ロジックの明確化、作業手順の統一化・・・属人化した業務を標準化・最適化
  3. データ集計、加工、異常値検知の精度向上・・・集計・加工業務を自動化、バージョン比較の効率化
  4. シミュレーション活用による分析・施策検討・・・予実差異、為替変動差異のドリルダウン分析
  5. レポートの即時性を活かしたモニタリング・・・最新のデータに基づいた予算計画の見直し

経営管理の成熟度レベルおよび目指すべき姿

Anaplanは、スモールスタートから徐々に適用する領域や機能を拡大するアプローチが効果的です。最終目標を定めたうえで、段階的なアプローチを計画することで早期に業務効果を得ることが可能となります。

※AIに関する詳細はハイブリッドアプローチによる次世代型需要予測をご覧ください。

経営管理以外の活用ユースケース(例)

グループ経営管理基盤(連結会計含む)をはじめ、営業、SCM、人事と幅広い領域での活用が可能です。昨今の新しいトレンド/経営課題として「ESG経営」や「人的資本開示」が挙げられます。

PwCが提供するサービス

PwCでは、構想策定から構築、内製化、CoE立ち上げまで一貫して支援することで、短期間かつ効率的にAnaplanの導入に貢献します。

経営管理高度化の構想策定

  • 短期から長期、企業内部から外部環境の視点で、自社の特徴にあった経営管理高度化のあるべき姿の定義
  • 現行業務の可視化および課題の深掘りによる業務の効率化・高度化に向けた方針の検討
  • 既存のシステム・データ構造を考慮した戦略実現に向けたロードマップの策定
  • 業務、システム、組織と人材といった観点からの改革計画の策定
  • 「経営管理の高度化」に向けた各種取り組みの実行支援

業務の可視化、課題分析および実現方針の定義

  • 現行業務の分析、効率化に向けた改善計画の立案および高度化に向けた方針の検討
  • KPI、ドライバーの定義およびシミュレーション、インパクト分解など高度化実現に向けた支援
  • 価値最大化と即時性を重視したデータ収集と処理の方針定義

EPM基盤構築支援

  • 市場トレンドやPwCがグローバルで蓄積しているユースケースを活用した製品・ソリューションの比較選定支援
  • ERPなど現行システムとの連携を前提とした、既存データ基盤を有効利用し、データ利活用を促進するEPM基盤のアーキテクチャー検討支援
  • EPM・BIの併用による全社範囲での分析やレポーティングの最適化
  • EPM構築実行と業務展開の支援、グローバル範囲での業務展開・定着化

内製化・CoE立ち上げ支援サービス

  • CoEの役割定義、業務部門とIT部門それぞれに求められるスキルセットの定義と育成プログラムの策定
  • ナレッジトランスファーの計画策定および実行支援
  • 各成熟度段階に適合した伴走支援

主要メンバー

市川 秀樹

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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立石 将之

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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蔡 沂肖

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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