調達リスク管理DX 安定調達・供給に向けたサプライチェーン階層の可視化と調達リスクの定量化によるリスクマネジメント強化支援

調達リスク管理における問題点とインシデントが引き起こす影響

企業を取り巻く環境が著しく変化している今、調達リスク管理の重要性が高まっています。しかしながら、多くの企業がTier1サプライヤーのみ、旧来型のリスクのみの管理にとどまり、Tier1サプライヤーに限らずTier2サプライヤー以降の管理にも苦慮しています。結果、さまざまなインシデントが発生し、購入単価や物流コストの増加、納期遅延やリードタイムの拡大、業務負荷の増大など、多大な影響が生じています。

問題点① Tier1のみの表層的管理

インシデントの例

影響の例

北米ハリケーンによる
水害の発生

  • Tier1サプライヤーからの原材料の供給が途絶え、急遽代替サプライヤーに切り替えたが、材料の購入単価は2割増
EUの環境規制強化
  • 某化合物の規制が強化され、サプライヤーが部品の製造を停止し、部品の調達が困難となった。製造停止後に連絡を受けたため、代替品をすぐに開拓できず、長期間の生産停止に陥った
南アフリカ港湾の
ストライキ
  • 港湾の機能停止で、コンテナ船が寄港できず物流が停滞し、原材料の調達が困難となり、結果として生産ができずセールスロス

ウクライナ戦争

  • 黒海を経由する物流が困難となり、暫定策の空輸や代替ルートの利用により、LTや物流コストが大幅に増加
  • 恒久策としてサプライヤーを切り替えたが、材料の購入単価は2割増

米国への輸出時に
税関において
出荷品の差し止め

  • 完成品を構成するTier Nサプライヤーの部品で強制労働の疑いにより港湾で差し止めされ、納期不履行による損害賠償の発生
  • 修理・予備の新規生産・部品の廃棄処分など追加コストの発生
  • 人権リスクによる社会的信用の低下

調達リスク管理のあるべき姿:一元管理ツール活用による全リスクの把握と未然防止活動の推進

  • 全てのリスクを1つのツールで一元管理し、検知したリスクは自動でサプライチェーンと紐づけ定量・定性的に評価
  • 調達部門はリスク情報を基に、レジリエンス強化やリスク発生の未然防止に向けた短期/中長期対応を推進

PwCコンサルティング合同会社の支援概要:
調達リスク管理のツール導入支援と業務基盤作りから
運用定着までの伴走支援

調達リスク管理ツールは導入しただけでは機能せず、有効的に活用するにはガイドライン整備と調達人材のスキルアップが欠かせません。当社はツールの導入と業務基盤構築を両輪で支援し、業務が定常的に回る仕組みを実現します。

  1. ガイドライン策定:業界や製品の特性とクライアントの方針にあわせて制度や組織を設計し、業務が現場レベルで円滑に回るための土台を構築します。
  2. リスキリング:ワークショップでのシミュレーションによるリスク対応の実践力強化や、座学によるデータ分析/ソーシング/交渉のスキル向上など、クライアントの課題に適した形で支援を行います。

AIとヒューマンインテリジェンスを組み合わせた
最先端のグローバル調達リスク管理ツール

当社が導入支援を行う調達リスク管理ツールの1つとして、Everstream Analytics社が提供するSaaSプラットフォームがあります。800万以上の膨大なデータソースを基にAIとヒューマンインテリジェンスによる分析、そして独自のサプライチェーンのナレッジを組み合わせ、以下のような調達リスク管理強化を実現します。

  1. サプライヤー階層の可視化(Tier1サプライヤーに依存せず、かつ部品や製品と紐づけ)
  2. 前述した昨今のさまざまなリスクを一元管理し、各サプライヤーの製造拠点や輸送経路ごとに定量・定性の両面で評価
  3. インシデントのタイムリーな通知とコミュニケーションツールによるサプライヤーとの円滑な会話を実現
  4. 短期的なリスクだけでなく、中長期的な潜在リスクの見える化
Everstream Analytics

調達リスク管理DX 安定調達・供給に向けたサプライチェーン階層の可視化と調達リスクの定量化によるリスクマネジメント強化支援

主要メンバー

小山 元

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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