
医彩―Leader's insight 第7回 埼玉県と語る、看護職員の就業環境改善に向けた支援のあり方
埼玉県では令和6年度より看護業務改善のためのICT導入アドバイザー派遣事業を実施しています。本事業でアドバイザーを務めたPwCコンサルティングのメンバーが、取り組みの概要とともに、埼玉県が考える看護職員の就業環境改善に向けた支援のあり方について伺います。
近年の研究から職場での幸福感の高さが企業価値と深い関係があることが明らかになっています*1。このため、ストレスチェックや従業員エンゲージメントサーベイなどを通じて、職場での幸福感を把握し、その向上をサポートしようとする企業が増えています。しかし、従業員が自分自身の幸福感や自己肯定感といった心理状態を客観的に理解し表現することは困難であり、健康経営の実践に向けた課題となっていました。
BHQはBrain Healthcare Quotientの略で、MRIを活用した脳の画像データを解析して算出される、日本発の脳の健康管理のための指標であり、国際標準として承認された規格です。これまでの脳科学研究を通じて、ストレスや幸福感、ワークエンゲージメントなどがBHQと関連していることが明らかになっています*2*3*4。一方で、研究で用いられるBHQは病院のMRI計測が前提となっており、高額な費用がかかるなど、誰もが容易に計測できるものではありません。
パナソニック ホールディングス、ベスプラ、ジョルテ、BHQ社の4社は、カメラ、スマートフォンアプリやスマートウォッチ、スマートグラスなどを通じて、顔表情や運動、食事、休息や仕事といった人の行動データからAIでBHQを予測する「BHQ推定技術」を有しています。どこでも低コストでBHQを推定できるため、例えば業務中のBHQを推定し、働く時間や場所、部署間によるその変化や違いを計測、分析することで、何が脳健康に良いか悪いかを探ることができるようになります。
PwCコンサルティングは、パナソニック ホールディングス、ベスプラ、ジョルテ、BHQ社のサービスを用いて、さまざまな企業に対して、従業員のウェルビーイングにつながる活動を支援していきます。
具体的には、脳の健康の研究に取り組む4社がそれぞれ提供するBHQ関連サービスと、そこから得られるデータに基づいた職場の実態把握や改善のための施策の検討、効果測定などのコンサルティングサービスを組み合わせて提供します。これにより本サービス導入企業は、スマートフォンアプリやウェアラブルデバイスを用いて手軽に従業員の脳の健康状態を計測できるようになる他、従業員のウェルビーイングをデータドリブンで推進することができます。
顔画像から脳の健康状態を推定する「推定BHQ」計測器は、モニターに映し出された喜怒哀楽の表情を参加者にまねてもらい、その表情の変化からBHQを推定します。計測時間は1分程度で簡易にBHQの数値化体験を提供できるため、日常生活の中、公共のスペース、オフィス内などにおいてもご利用いただける機器となっています。
(パナソニック ホールディングス提供)
推定BHQと業務ログなどを組み合わせることにより、以下を実現します。
※画像はイメージです。
PwCコンサルティングは、BHQの普及を進めることで、多様な企業のニーズに応じたウェルビーイングの推進とその先にある企業価値の向上に貢献していきます。今後もBHQの社会実装に向けて、優れた技術を持つスタートアップをはじめ、さまざまな企業、国、自治体との連携および協業を推進します。
参考文献
*1 Bellet, Clement and De Neve, Jan-Emmanuel and Ward, George, Does Employee Happiness have an Impact on Productivity? (October 14, 2019). Saïd Business School WP 2019-13
*2 Kokubun, K., Nemoto, K., Oka, H., Fukuda, H., Yamakawa, Y., & Watanabe, Y. (2018). Association of fatigue and stress with gray matter volume. Frontiers in behavioral neuroscience, 12, 154.
*3 Kokubun, K., Nemoto, K., & Yamakawa, Y. (2022). Brain conditions mediate the association between aging and happiness. Scientific reports, 12(1), 1-15.
*4 Kokubun, K., Ogata, Y., Koike, Y., & Yamakawa, Y. (2020). Brain condition may mediate the association between training and work engagement. Scientific reports, 10(1)
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