全社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するにあたってCIOやIT組織の果たす役割や事業への影響度は非常に大きいものとなっており、そのためには、まずはIT組織自らが速やかにトランスフォームすることが求められています。これまでのIT組織(DX部門も含む)は主に事業部門を支援する役割を担っており、社内システムの開発・運用・保守に従事することが主業務でした。しかし、IT・デジタル技術が事業に及ぼす影響が大きくなるにつれて、IT組織は支援する立場から、社内変革、事業変革を牽引していく立場へと生まれ変わる必要があります。大きな変革を成し遂げるためには、組織の方向性を示すIT戦略を策定することはもちろん、戦略に沿って組織の変革を実現する実行力を備える必要があります。
PwCコンサルティングは長きにわたってさまざまなIT組織の戦略策定に携わってきました。その中で、IT組織をリードするCIO(CDO、CTOを含む)がIT戦略を推進するにあたっては、戦略を立案する段階ではなく、実行する段階に課題があると感じています。IT戦略を綿密に立案しても、実行する段階でそれに係るIT組織全体の細部まで内容が伝わらなければ、従業員は真の意図を理解することなく実行に移すことになるため、IT戦略が「机上の空論」になってしまいがちです。その原因の多くは戦略立案時のプロセスにあると私たちは考えています。多くのIT組織では、戦略立案はCIOと一部の幹部社員、もしくはコンサルタントのみで実施されるため、ほとんどの従業員にとって、検討プロセスはブラックボックスになっています。その結果、従業員には最終化された戦略のみが提示され、戦略に込められた思いや願いを知ることなく、「他人事の戦略」を実行することを余儀なくされます。
PwCコンサルティングでは、デザイン思考をベースとする独自のBXT(Business、eXperience、Technology)フレームワークを活用し、戦略策定段階からIT組織の主要メンバーを巻き込むことで多様な意見や思いを戦略に反映することをサポートします。その上でメンバーのコミットメントを引き出し、実行段階においても、主要メンバーが一丸となって実行していく組織文化を醸成することに貢献します。また、参画する当社メンバーも一緒に検討を行い、戦略を取りまとめていくことで、CIOと主要メンバーの双方にとって納得感があり、かつ実行性が担保されたIT戦略の策定を支援します。
未来創造型IT戦略は以下のアプローチで推進していきます。
クライアントで推進リーダーを選定していただき、ワークショップ準備、およびワークショップ後のマイルストーン、スケジュール、アウトプットイメージを合意します。
ワークショップ(WS)メンバーを中心に、さまざまなアクティビティを通じてIT部門のありたい姿の素案検討、および「ありたい姿」実現に向けた課題案や施策案を検討します。
ワークショップで検討した「ありたい姿」の素案を整理し、全社戦略の方向性と合わせつつ、推進リーダーとPwCコンサルティングメンバーでMission、Vision、Value(MVV)の明文化を行います。また、明文化したMVVをCIOに確認していただき、承認を得ます。
ワークショップで検討した「ありたい姿」の実現に向けた課題や施策を整理し、重要課題の特定と、原因の分析を行います。重要課題の根本的な原因に対する直近の打ち手ならびに、根本的な打ち手を検討します。
④で検討した根本的な打ち手をタスクフォース活動計画(ロードマップ)に落とし込みます。タスクフォースごとに推進リーダーを選定し、また詳細計画を策定し、CIOに計画を報告し承認を得ます。
PwCコンサルティングは、デジタルケイパビリティへの対応と、さらにその先のダイナミックケイパビリティの獲得をさまざまな角度から包括的に支援します。
テクノロジーの幅の広がりや進化のスピードに遅れをとらないよう、CIOの置かれている状況を整理し、CIOの役割の再定義を支援します。
PwCコンサルティングが設立したFuture Design Labでは、ムーンショットな未来の創造と実現を志向する政府・教育/研究機関・民間企業に対するアドバイザリーサービスを提供するとともに、ラボ自身がムーンショットの実現に向けたエコシステムの一部として、社会変革を加速させる原動力となることを目指しています。