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M&Aは、企業がスピーディーに成長するための重要かつ有効な手段として認識されており、近年、その件数は増加傾向にあります。他方で、PwCが2019年に実施した調査によると、M&A実施企業の多くの企業買収・売却が価値の最大化を実現できていないことが明らかになっています。M&Aの成否は、想定するシナジー効果を早期かつ確実に獲得するために統合プロセス(PMI)を適切に実行できるかどうかに懸かっています。
PMIの推進にあたっては、関連する多くの部門からスキルや経験を有する十分な数の人員が関与する必要があります。しかし、企業はこれまで業務の効率化や生産性向上を図るために体制のスリム化を進めてきたこともあり、PMIの推進に必要な人員が不足しているのが実情です。M&A件数が増加する中、PMIをスピーディーに推進し、期待された効果を確実に上げていくことは、通常業務を担う各部門の現場にとって、非常に重い負担となっています。
PMIは、限られた期間で実施し、なおかつ結果が求められる重要性の高い業務として、これまで社内のごく限られた少数の経験者で推進されてきました。しかしM&A件数の増加を背景に、グループ内や社内で複数のPMIを同時並行で推進するケースも増え、少数の経験者だけでは足りず、未経験者を通常業務と兼務で参画させるなど、多くの企業において不十分な体制でPMIを推進せざるを得ない状況が生まれています。その結果、統合方針などの重要論点における検討の抜け漏れなど、品質低下の発生もこれまで以上に見られるようになりました。
こうした状況を改善する有効なツールが、PMIプレイブックです。PMIプレイブックは、一部の社内有識者の暗黙知を形式知化すると共に、個人知の組織知化を図るものです。具体的には、組織構造・ガバナンス、人事制度、事業(商品・サービス・製造品など)や取引先、業務プロセス・システムなど、各企業固有の特性を踏まえ、PMI推進の進め方(統合形態による進め方の相違を含む)や主要論点など、PMI推進に関わる関係者が押さえておくべき重要なポイントをあらかじめ明確化・文書化します。
組織・事業・業務プロセス・システムなど、企業特性を反映したPMIプレイブックを整備・活用することで、メンバーの経験の有無に関わらず、迅速かつ安定的なPMI推進が可能となります。また、慣習や考え方、カルチャーの異なる相手企業や他部門とのPMI推進においても、プレイブックを用いて共通言語化を図ることができ、企業間・部門間の連携を促進することができるようになります。業務を推進する上で、特に以下の3つが役に立つと考えられます。
統合形態に関わらず実施する作業、特定の統合形態のみで実施する作業などを明確化すると共に、どの作業をどういった順序で進めるべきかが分かる標準的なマスタースケジュールを提供
PMIに関係する各組織(推進主体組織、意思決定組織、事務局など)、検討・推進内容などの役割分担およびレポートラインなど、PMI推進のための運営指針を提供
企業の現状を踏まえ、PMI推進に際しての各種前提・制約事項などをあらかじめ文書化しておくことで、都度調査する時間を削減。また、前提・制約事項を踏まえた検討や方向性の絞り込みが可能に
PwCは、これまで多様なPMI案件を支援してきた経験から、PMIで直面する課題や陥りやすい落とし穴、それらを踏まえた成功のポイントを熟知しています。これらの知見をベースに、企業の組織・事業・業務プロセス・システムなどの各種特性を織り込むことで、真に活用可能なPMIプレイブックの整備を支援します。
社内で多くの事業投資やM&Aが実施される中、デューデリジェンス(DD)やPMIを十分に実施していないといった課題に直面していた大手総合商社に対し、DD・PMIの重要性やPMI推進手順をマニュアルとして取りまとめると共に、PMI推進にあたって作成すべき各種ドキュメントのテンプレートの整備を支援しました。
事業再編案件数が増加し、かつ各案件が短期化する中、限られた有識者による属人的な対応では迅速かつ安定的なPMI推進が困難になっていた大手製造企業に対し、PwCのPMI推進ノウハウをもとに、過去のPMI案件に関する関係部門へのヒアリングや、資料閲覧などから得た各種業務プロセス・システムなどの特性情報を加味して、プレイブック整備を支援しました。