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今、世界的に有名な実業家の参入により宇宙ビジネスに注目が集まっています。宇宙ビジネスにおける経済規模は2040年代に1兆ドルになると予測1されています。スマートフォンの普及、ネット社会の浸透によるデータドリブンな経済化が進む中、人工衛星データの重要性はますます高まっています。
現在、地球を回る人工衛星は国連によると5,000基を超えています。欧米の宇宙関連スタートアップ企業が急増しており、明らかになっている計画だけでも今後10年間で人工衛星の数が4倍の2万基まで増加すると見込まれています。また、打ち上げ・運用コスト削減のため、宇宙関連システムにおいては、ソフトウェアなどの民生品の活用、地上局のクラウド化などにより、サイバー攻撃の対象となる脆弱性が飛躍的に高まっています。
宇宙関連システムの脆弱性が高まる中、特に人工衛星を狙ったサイバー攻撃が国内外で発生しています。これらサイバーインシデントを分析した結果、想定する潜在的なサイバー攻撃リスクは、主に「地上局」、人工衛星などの「宇宙機」、「受信機」の3つに分けられます(図表1参照)。
具体的な宇宙関連システムへのサイバー攻撃として、2007年に米国で発生した不正アクセスや、2010年に韓国で発生したGPSジャミング、国内でも、2012年と2013年に不正アクセスによるサイバー攻撃が報告されています(図表2参照)。
宇宙関連システムにおいては、サイバー攻撃手法は日々高度化していることに加え、スタートアップ企業の参入や、民生品の活用、地上局のクラウド化などにより、サイバー攻撃の対象となる脆弱性が高まり、サイバーリスクの特定がより一層難しくなっています。さらに、現状、世界的に宇宙関連システムへの包括的なサイバーセキュリティフレームワークが確立されておらず、適切な対策がとれていないことが課題として挙げられます。
宇宙関連システムへのサイバー攻撃に対処するため、宇宙産業に取り組む企業は、以下の3点を実施する必要があります。
今後、拡大が見込まれるサイバー脅威に対し、PwC Japanグループはグローバルで培った宇宙関連システムとサイバーセキュリティ分野の知見を生かし、図表3に示した「宇宙サイバーセキュリティフレームワーク」を用い、宇宙関連システムへのサイバーリスクに関する課題解決を支援します。