プライバシー保護対応におけるOneTrustの導入支援

グローバル化するビジネスや情報通信技術の発達、ビッグデータ活用の拡大などに対処するために、世界各国でプライバシー法規制の整備・改正が進んでいます。個人の権利が強化される、高額な制裁金が科される、個人情報の加工方法や処理に係る要件が定義されるなど、これまでの法令より厳格になっています。このような時勢に鑑み、企業がデータプライバシーの分野で生じるコンプライアンス上の課題やリスクを迅速に発見し、対処することが求められています。

OneTrustは、データプライバシーにおける一元化・可視化と自動化を実現することで、企業のプライバシー保護対応に関する課題に対し、包括的なデータプライバシーソリューションを提供することができます。

PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)は、ツール導入の効果算出から導入する際の現状把握、対象業務フローの確認/検討、データ移行、ユーザーテスト/教育、運用の定着/効率化まで、OneTrustの導入を幅広く支援します。

OneTrustとは

OneTrustは、世界的に高い評価を受けるプライバシー管理複合ソリューションであり、プライバシー、セキュリティ、コンプライアンスに焦点を当てたサービスです。OneTrustには、データマッピングやPIA & DPIA(プライバシー影響評価とデータ保護影響評価)自動化をはじめ、ポリシー管理やサードパーティリスク管理などの従来のGRC(ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス)コンポーネントや、Cookie管理や同意管理(個人のデータ収集に関する同意状況の管理)など個人データの安全な利活用に必要な機能など、多数のデータプライバシーコンプライアンス対応用の機能が用意されています。企業は、OneTrustを活用し、データプライバシーの分野で生じる課題やリスクに対処することが可能となります。

OneTrustのデータマッピングとPIA & DPIA評価自動化

OneTrustのデータマッピングおよびPIA & DPIA評価自動化は、プライバシーとデータ管理の側面に焦点を当てた機能です。これらの機能は、企業がデータフローを理解し、プライバシーに関連するリスクを評価するのに役立ちます。

1. データマッピング

データマッピングは、企業がどのようにデータを収集し、処理し、保管しているかを可視化する機能です。OneTrustのデータマッピングは、主に以下のような機能を提供します。

  • データインベントリの作成:企業はデータを蓄積する場所やその性質に関する情報を記録し、データインベントリを作成できます。
  • データフローマッピング:データの移動経路を示し、データのフローを可視化して、データがどのように移動しているかを理解できます。

2. PIA & DPIA自動化

PIA & DPIA自動化は、データ処理活動が個人のプライバシーに及ぼす影響を評価する機能です。OneTrustのPIA & DPIA自動化は、以下のような機能を提供します。

  • リスク評価:データ処理活動が個人のプライバシーに与える潜在的なリスクを評価し、特定のリスクに対処するための対策を提案します。
  • 法令遵守の確認:各データ処理活動が関連する法令や規制に適合しているかどうかを確認し、不適合があればそれに対処するためのアクションをサポートします。

OneTrust導入の効果

従来は、グローバルプライバシー管理責任者や各地域・各社の責任者、各部門の担当者が、それぞれ表計算ソフトなどを使って手動でデータを集計し、フィードバックを行っていました。こうした状況では、期中でデータの取り扱いに変更が生じた場合や、遵守すべきプライバシー法規制に変更が発生した場合の影響など、現場の担当者から情報を迅速に集めることが難しい状況でした。

一方で、OneTrustを導入することで、プライバシー責任者はツール経由で入力依頼することができます。各部門の担当者はツールを通じて依頼を受けてからOneTrustにデータを入力し、グローバルプライバシー管理責任者や各地域・各社の責任者は手動で集計する必要がなく、OneTrust上でデータの取り扱い状況を簡単に把握できるようになります。また、PIA & DPIA自動化機能を活用することで、法規制に基づいたリスクの自動抽出や、現場へのフィードバックが可能です。さらに、期中でデータの取り扱いに変更が生じた場合、現場の担当者はOneTrustを通じて、各地域・各社の責任者やグローバルプライバシー管理責任者に迅速に情報を共有できるため、責任者は随時データの変化を把握し、リスクをタイムリーに認識することができます。

OneTrustの機能を最大限に活用するためには、プライバシーガバナンス管理体制に基づいた組織構成の設計、適切な権限設定、データ移行方法の検討、リスク抽出基準の策定、そして導入後の従業員教育が非常に重要な対応事項となります。これらの要素がしっかりと整備されることで、OneTrustの導入効果を最大化し、プライバシーリスクを効率的に管理することができます。

PwCのサービス

PwCコンサルティングは、OneTrustの導入に向け、プライバシーガバナンス管理体制に基づいた組織構成の設計、適切な権限設定、データ移行方法の検討、リスク抽出基準の策定、導入後の従業員教育を考慮したうえで、①導入課題/対応すべき論点の洗い出し、②導入要件の整理および導入の実施、③OneTrust運用の定着の3つのステップでクライアントを支援します。

①導入課題/対応すべき論点の洗い出し

プライバシーガバナンス管理体制のあるべき姿を実現するために、OneTrustの導入に期待する効果を整理したうえで、導入にあたっての課題や対応すべき論点を洗い出します。

②導入要件の整理および導入の実施

洗い出した課題および対応すべき論点を基に、OneTrustへ反映するプライバシー管理組織、役割と権限、データマッピングの棚卸し調査項目、PIA & DPIAのリスク判断基準などの導入要件の検討をサポートします。

導入要件を明確にした後、OneTrust利用開始に向けた各種設定を行います。データマッピングの導入に際しては、既存のクライアント社内規程や個人データ保護ガイドラインなどとの整合を図り、個人データ取得・処理業務プロセスデータの投入が必要となります。既に個人情報管理台帳などで運用されている場合でも、データマッピングへのデータ移行に必要な業務プロセス単位の基準策定やデータ項目の設定など、各クライアントの個人データ利用業務に合わせたパラメータ設定や運用基準・運用手順を設計していきます。

※既存の社内規程や管理基準などに修正が必要な場合、もしくは新規作成が必要な場合は、各種文書類の整備を支援します。

運用基準・運用手順書を整理した後、関連する会社/部門の従業員へのOneTrust教育を支援します。

③OneTrust運用の定着管理

OneTrust導入後、運用上の課題を発見し、課題を整理した上解決し、利用を定着化させる必要があります。PwCコンサルティングは、クライアントのOneTrust導入後の定着管理を支援します。

主要メンバー

藤田 恭史

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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門脇 一史

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

陳 俊琳

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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